Googleなど大企業も注目する「マインドフルネス」の実践法

清水氏の半生と幸福を探す旅

清水氏はアメリカでMBAを取得し起業、ITバブル崩壊により倒産を経験し、帰国した後サン・マイクロシステムズにて最年少事業部長となる。リクルートにてはR25、じゃらん、エイビーロード、ゼクシィなどメディア事業に関わり、5Q連続で全社1位の営業成績を達成。社員向けモチベーションアップのプログラムを策定するなどで年間最優秀社員賞も受賞。

オープンカーを乗りまわし“人生の勝ち組”を謳歌する中で、華やかな生活とは裏腹に何かが欠けている自分にある日ふと気が付いたという。

皆にチヤホヤされ、人が羨むような仕事や暮らしぶりをしている自分に酔いしれていた半面、些細なことに怒り、心配し、嫉妬している自分もいたんです。決して心の安らぐことのない日々ですね。

子供の頃に考えてた“カッコいい大人の姿”とはかけ離れた自分に気が付いた時はショックを受けました。

ちょうどそんなタイミングで親友から電話がかかってきたんです。『一緒に世界を旅しながら、真の幸せを探究する映画を作ろう』って

こうして清水氏のhappyを巡る旅が始まった。

プロデューサーとして映画製作に関わりながら世界中を回り“幸福とは何か?”を探究する日々の中で、清水氏は様々な人々、そして多様ながらも何か共通しているような幸福の在り方と出会う。そして、心理学や脳医学の世界的研究者たちも実践するマインドフルネスを知る。

 

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは“今・この瞬間”に意識を集中した心のありかた。これは仏教における“正念”という概念にあたり、過去や未来への執着から生まれる雑念を去った安らかな心の状態を指す。

マインドフルネスにおいては、人が苦しむのは自分自身の思考が葛藤を生みだすからであるとし、外的要因は内面の葛藤が表面化するきっかけ過ぎないと考える。

このマインドフルネスの生みの親ともいえるのが、ベトナム生まれの世界的な禅僧ティク・ナット・ハン。行動する仏教を提唱し、ベトナム戦争時に渡米し戦争終結のために奔走。この活動は禅を米国内に波及させるきかっけとなり、キング牧師ら公民権運動活動家にも多大な影響を与えた。

医学博士のジョン・カバット・ジンは、これを医療の世界へと導入。米国の大学医学部にマインドフルネスセンターが次々と設立される流れを牽引。医療におけるマインドフルネス導入の流れは日本でも進み、ティク・ナット・ハンの高弟33人を迎え、聖路加国際病院にて読売新聞社の後援で医療関係者向けの大規模な研修会も先日開かれた。

そしてマインドフルネスをより普遍化したものにし、本気で世界の平和のために役立てようと企てているのが、Google社の107番目の社員チャディ・メン・タン。『かなりイカしたフェロー』という役職を自ら作りだし、幸福のメカニズム解明を天命と自負する男だ。

著書『Search Inside Yourself』(邦題:サーチ!)が世界各国でベストセラーとなり、彼を中心にしてSIYLI(サーチ・インサイド・ユアセルフ・リーダーシップ・インスティテュート)が設立。Google社はこのSIYプログラムを全社員のみならず全世界に展開しようと全面的に支援。そして清水氏をはじめ認定講師たちを養成し始めた。

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