UIデザインからスマートウォッチの今を考える「UI Crunch #5」

「Android Wear」橋本 泰氏

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4人目はUIデザインのリーディングカンパニー『Goodpatch』にAndroid Developerとして所属する橋本 泰氏。Apple Watchばかりが注目を集める中、その1年近く前に発売され“洗練度やコンテンツ力でいえばAppleWatchを凌ぐ”Android Wearについて語った。

まずは現在特に注目度の高い、5月末に行われたGoogle I/Oで発表された4つの新機能について語ってくれた。

アンビエントモードでもマップなどのアプリを起動させておける『always on』。腕を振ることで通知をdoneにできる『wrist gestures』。手書きの絵文字を認識し、メール等の返信を手軽に行える『emoji recognizer』。1画面だったホーム画面をアプリ・電話帳・設定画面の3画面にした『launcher』の4つである。

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またAndroid Wearの歴史とあわせ、Goodpatchが開発してきたGoogle Wear対応のアプリについても語ってくれた。

ウォッチフェイス対応前に海外のソース等を調べ独自でウォッチフェイスアプリを開発したり、Fit APIと連携し歩数表示のウォッチフェイス「Color Walk」を開発し、“Google Fit Developer Challange”で金賞を受賞したりと精力的に開発を進めていたとのことだ。

ただAndoroid Wearの場合、従来にはなかったアンビエントモードでの白黒表示へのデザインや、端末ごとに画面サイズや解像度、角/丸型などかなりの違いがあり、全てのデバイスに完璧に対応するように開発・デザインを行うことは今まで以上に“大きなチャレンジ”ともいえるだろう。

 

「Dingbel の Watch UIデザイン」笹山 健志氏

そして最後の5人目がGoodpatchのUI Designer笹山 健志氏。

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笹山氏は、同社がUIデザインを担当しDeNAが開発したApple Watch向けアプリ『Dingbel』から実際の実例を紹介してくれた。

Dingbelを開発する上でのミッションは『Watchだけで完結するツール』、『Watchでの使用に特化したUI』、『Apple Watch発売と同時リリース』の3つだ。実機がないなかの開発、かつWatchという今までにないデバイスに合わせたUI・コンテンツの設計というかなり“チャレンジングな内容”である。

ただ、発売当初に出てくるものは既存のiOSアプリのApple Watch対応のものが多いだろうという予想から、それとは逆のアプローチで“ウェアラブルファースト”のアプリを作るというのが狙いだったそうだ。

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そのなかで完成したこの『Dingbel』はコミュニケーションアプリだ。送受信できるのは “ポジティブ”、“ネガティブ”の2種類のみで、送ってきた相手との距離が分かるというもの。

例えば朝起きたときに親しい人に送ったり、ランチに行くタイミングで送ったりと、メール等をするまでもないことや、ただ「すぐに気づいて欲しいとき」などに使う。

UIとしては送りたい相手の顔を選んで1タップでポジティブ、2タップでネガティブという、小さい画面で無理に選択肢を作らず即時性が高くなるようにデザインされている。また余計な要素を廃し、なるべくタップできる領域を広く作ることで送信のしやすさをかなり意識しているとのことだ。

ただ一方で、実装したくても現状のWatchOSでは実現出来ない機能も多く、今後の課題として“OSサイドのサポート”が望まれるものも多いとのことである。

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このように現場の開発者やデザイナーから、専門家まで様々な立場の方から今回「ウェアラブル」と「UI」というキーワードをベースにした多様な話を聞くことができた。

今後大きく変化していく分野であろうウェアラブル、そしてその先に続くIoTで人とデバイスはどのように関わっていくのか。“UIはその間で重要な役割を果たす”とともにニーズも高度になり、より高いレベルでのデザイン・問題解決が求められてくるだろう。

 

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【参考・画像】

UI Crunch

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