今から知っておくべき?あらゆるタイプのインフルエンザに効くワクチンの研究

ワクチンがウイルスに合うか考える必要がない戦略

アメリカの微生物学についての専門誌『mBio』に掲載された論文の著者のひとり、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID:National Institute of Allergy and Infectious Diseases)のJeffery Taubenberger氏によると、ワクチンが毎年変わるのはその年に広がっているウィルスに合わせるためだという。もしワクチンがターゲットとなるウイルスの遺伝子と少しでも異なれば、効果が少なくなってしまうのだ。

とはいえ、前述したとおり、大量のワクチン製造のためにはあらかじめ準備が必要となり、前の冬に流行したウイルスを参考としてワクチンを作っている以上、実際に流行したものと遺伝子的に離れたものとなることは珍しくない。

Taubenberger氏は今回の研究について、「私たちがやったことは、ワクチンがウイルスに合うかを全く考える必要がない戦略をデザインすることだった」と説明している。

 

いくつかの異なる型の「ヘマグルチニン」を含むワクチン混合物を使用

研究チームは、H1、H3、H5そしてH7といった、いくつかの異なる型の、ウイルスの表面上に存在する抗原性糖タンパク質「ヘマグルチニン」を含むワクチン混合物を使用。想定していた仮説は、これらの異なるウイルスのタンパク質が、多様な型に対して幅広く機能する「交叉防御免疫」と呼ばれる反応の発達を刺激するのではないか、ということだったという。

一連の実験を通じ、研究者らは治験のワクチン接種を受けた95%のネズミが、8種類の異なる致命的なインフルエンザ・ウイルスの攻撃から守られていることを発見。Taubenberger氏はこの結果は、今回のアプローチが私たちに広範な防御の幅をもたらし、効果的なプレパンデミック・ワクチンの基礎としてはたらくかもしれないことを示唆していると強調した。

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実験ではワクチンの効果が長く続き、また年老いたネズミでも良い効果がみられたとのことだ。年配の人たちはインフルエンザで併発する病気にかかりやすく、また若い人に比べて効く薬が少ないとも言われている。

こうした人も含め、多くの人にメリットをもたらすだろう、ユニバーサル・ワクチンの研究。今後の一層の反転に期待したい。

 

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【参考・画像】

※ http://mbio.asm.org/content/6/4/e01044-15

※ http://www.eurekalert.org/pub_releases/2015-07/asfm-ufv071715.php

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