【未来予想図2020】ホンダが考える「スマートモビリティ」EVとFCVそしてPHEVの将来は?

超小型EVの都市と地方での使い方

以前、他媒体で、ホンダさんが「超小型EVは、都市より地方の方にマッチする」と考えていらっしゃるという意見を拝見したのですが、やはり交通網が発達した都市より、地方での普及をお考えなのでしょうか?

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<地方は、今ガソリンスタンドが次々となくなっていますよね。既存のインフラが維持できなくなってきている。

ですが、『MC-β』など超小型EVなら、スタンドでガソリンを給油する必要はないんです。電気は自宅で買えるから、インフラはすでにあるんです。あれくらいのクルマの電気なら、十分に供給できる。近所の畑など、近距離の移動なら『MC-β』でも十分だと思います。

地方でも、やはりエネルギーとの連携は重要ですね。太陽光発電だけで『MC-β』を走らせている宮古島市の実証実験(前編参照)は、そのいい例です。

電気を家で作りそれをクルマに使う、“家産家消”という考え方は十分にあると思います。>

 

カーシェアリングに超小型EVを使う

逆に、都市では使えないのでしょうか?

<答えが全くないとは思っていないです。さすがに、(『MC-β』を)ファーストカーにしようという人はいないと思いますが(笑)。都市で可能性があるのは、『カーシェアリング』ですね。

今、東京など都会では、駐車場の問題などでクルマを持つこと自体が困難になってきています。また、地下鉄など公共の交通機関が発達しているので、移動にクルマが絶対に必要ではなくなってきている。ただ、ちょっとした移動では、やはり必要な場合もある。

そこで、超小型EV。車体が小さいので渋滞対策になるし、普通のクルマを2台停める駐車スペースに3台は停められますから、これをシェアすることで駐車場スペースの削減にもなります。

『カーシェアリング』で、特に重要だと思っているのが、我々が『リモートドライブ』と呼んでいる半自動運転です。

例えば、ドライバーが降りた後に、クルマが自動で動き、隣のクルマのドアとの間隔をギリギリまで詰めて駐車する。人が乗っていないから、ドアは開かなくても大丈夫なんです。で、乗る時にはまた、自動で動いてドライバーを迎えに行く。そうすれば、駐車スペースをかなり削減できます。

 

あと、カーシェアで問題になるのが、例えばA地点とB地点で、どちらか一方にクルマが溜まってしまうこと。他社がやっている例では、学生などをアルバイトで雇って移動させていますが、それだと人件費が掛かる。

我々は、こういったクルマの偏在解消も、『リモートドライブ』でやることを考えています。『カルガモ走行』と呼んでいるんですが、一番前のクルマにだけドライバーが乗っていて、その後ろに2から3台のクルマが、前のナンバープレートを認識して自動でついてくる。そうすることで、1人で多くのクルマの偏りを解消できるんです。

 

あまり知られていないのですが、ホンダは、20年前にこういった超小型EVを使った都心におけるカーシェアリング(ICVS)を提案しています。

ドライバーがクルマを降りて返却手続きをすると、クルマは『リモートドライブ』で隣のクルマのドアぎりぎりまで詰めて駐車スペースへ。ゲーテッドエリアで人が介在しないため、安全性も問題ないです。自動運転によるカルガモ走行で、クルマの偏在解消をするアイデアも、当時すでにありました。

(20年前の)動画では、返却時はカード認証を使っていますが、今ならスマートフォンでできるでしょう。EVの充電も充電コネクタを使っていますが、将来は非接触充電が可能になることも考えられます。

『MC-β』の前に開発した『マイクロコミュータープロトタイプ』でも、一昨年にこういった『リモートドライブ』のデモを(東京モーターショーと併催のスマートモビリティ2013で)発表しました。

これは、要は20年前からあったアイデアを、今の技術でやっているということ。都市でやるとしたら、我々はこういうシステムだと思っています。

実現すれば、環境に配慮しつつクルマの稼働率を上げる、ひいてはコストを下げることも可能になると思っています。>

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