インドネシアとサブカルコスプレイヤーたちが創る「明日の光景」

地方出身のコスプレイヤー

イスラムの女性は服装規定が厳しい、というのは一種の誤解だ。

確かに、中東には頭からつま先まで大きな黒い布で覆っている女性がたくさんいる。

だがそれは戒律がどうというよりも地域性が大きく絡んでいて、多少なりともリベラルな土地では頭髪を隠すヒジャブを被らない女性も存在する。

だから保守的な考えの場所と先進的な考えの場所とでは、同じイスラム圏でも光景が大きく異る。インドネシアのジャワ島内の都市は、やはり後者だ。

だから、サブカルが好きな女の子はコスプレにも躊躇いがない。インドネシアにも名の知れたコスプレイヤーがいる。

 

ジャワ島中部の都市ジョグジャカルタで先日開催された『マンガフェスト』。ここにも地元の有名コスプレイヤーが名を連ねた。

ジョグジャカルタは地方都市だが、それでも今や日本の文化が浸透している。スマートフォンを代表するインターネットツールの普及が、それを促したという背景もある。

ジョグジャカルタ在住のユウキ・レイブンは、この町にサブカルが定着する以前からコスプレイヤーとして活動している。

しかも彼女は、市内中心地から離れた地域に住む女の子だ。ユウキ自身は以前、自分の住む土地を「農村」と言っていた。いずれにせよ、都市部の住人でないことは確かなようだ。

だがそんなユウキも、今では高級機を所有するカメラマンと組み精力的に活動している。

Yuuki Raven(本人提供)

 

「地方部の女性は、都市部の華やかさから取り残され貧しい生活を送っている」

その声は決して間違いではないが、あくまでも一側面に過ぎない。

ユウキは決して金持ちというわけではないはずだが、彼女のその姿に「貧しく、寂しく」というステレオタイプな悲壮感は一片も見受けられない。

そういう女性も存在するのである。

Yuuki Raven(本人提供)

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