インドネシアとサブカルコスプレイヤーたちが創る「明日の光景」

彼女たちの原動力

もう一人、ジョグジャカルタ在住のコスプレイヤーといえばローラ・ジエタがいる。

いわゆる“可愛い系”に属するユウキとは対照的に、ローラは“美人系”だ。

そのためコスプレのレパートリーも幅広い。もし出場するイベントが3日間開催だとしたら、ローラは必ず3種類の衣装を用意する。

しかも彼女は流暢な英語を話すことができるため、外国メディアにも自分をPRすることができる。

Lola Zieta(澤田オフィス提供)

 

ローラは今時の日本男児よりも積極的な女子だ。

長距離列車に何時間も揺られてジャカルタへ行き、そこで開催されるイベントに始まりから終わりまで参加する。

その間に数百人というカメラ小僧に「写真お願い!」とせがまれ、一度も拒むことなく笑顔で対応する。

全てのプログラムが終わった頃にはもちろん疲れ切っているが、一晩寝たら体力ゲージは満回復だ。ローラの全身からみなぎる元気が、イベント会場を明るくする。

Lola Zieta(澤田オフィス提供)

 

「インドネシアは先進的なイスラム圏」と書いたが、そんな国にも過激派は存在する。

例えば、たびたびジャカルタの中心部で大掛かりなデモを行うイスラム防衛戦線のように。

彼らは集会の度に「女は働くべからず。良き妻になって家の中で過ごすべし」と叫ぶ。そしてそれを支持する女性もいるというのが、また驚きだ。

だがその威勢は、要するに自らの能力に自信がないからだということを大多数のインドネシア市民は知っている。

レディー・ガガの来尼コンサートの会場を放火すると宣言し、そのイベント自体を中止に追い込んだ過激派は、良識ある市民からの支持をまったく得られていない。

彼らの暴力的な言葉は、むしろユウキやローラの活動の原動力になっている。

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