アジア・ビール紀行「最高の喉ごし」を探して

遊牧民の国のビール

モンゴルの酒事情は非常に面白い。

もともとモンゴル人は強い酒を飲む習慣がなく、国民全員が遊牧民だった時代は、牛乳を発酵させた低度数の酒を飲んでいた。

だがそれはソビエト連邦の傘下に入った頃から変化する。ロシア人がウォッカを持ち込んだのである。高度数の酒が突如現れることで、モンゴルの酒文化は飛躍的な進化を遂げる。モンゴル(澤田オフィス)

 

今ではモンゴル人も多種多様な酒を飲む。

首都ウランバートルには数多くのビアホールやカクテルバーがあり、週末は若者で賑わう。特に夏は日本と同様“ビールの季節”と見なされ、大量のビールが消費される。

ビヤホールに行けばギネスやハイネケンなどの外国銘柄も置いてあるが、やはり地元銘柄の『チンギスビール』の人気は不動のようだ。

ウランバートル市民は、缶や瓶のビールよりもサーバーから出る生ビールを好む。これはあくまでも筆者個人の感想だが、数種類ある『チンギスビール』の中でも『チンギス・ブラック』と呼ばれる黒ビールが程よい苦味もあり、一番日本人の喉に合うのではと感じた。

特に真夏の夜7時頃、高緯度のせいでまだ日が沈み切っていないうちから『チンギス・ブラック』を飲む。この国は乾燥していて、すぐに喉が渇くから1パイントのビールなどあっという間になくなってしまう。

そしてモンゴルという国は、時間問わずどこに行っても必ず酔っ払いがいる。そんな環境だから日本とは違い、昼間からビールの1杯2杯あおっても白い目で見られたりはしない。

早い時間から飲む『チンギスビール』も、また格別だ。

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