【FPSを知る・後編】ゲームで戦争を追体験

塹壕の中のFPS

史実を取り扱ったFPSというものが存在する。平たく言えば、過去の戦争を舞台にしたものだ。

たとえば、第二次世界大戦もののFPSというのはインターネットが端々まで普及する以前から存在する。だがそれは、ドイツや日本を敵役にした、すなわち連合国軍視点の作品が大半である。枢軸国軍側の視点の作品を制作するには、やはりデリケートな問題があるのだ。

そして、第二次大戦よりひとつ前の戦争、つまり第一次世界大戦に関する取り扱いも、ヨーロッパでは未だに根深い問題だ。第一次大戦とは早い話が“同盟国の同盟国同士の戦争”で、にもかかわらず膨大な死者を出したから、今も市民の間では黒歴史と認識されている。

だが、そんな第一次大戦をテーマにしたFPSがある。タイトルは『Verdun』。その名の通り、1916年の西部戦線ヴェルダン攻防戦を舞台にした作品だ。

※ Verdun Trailer – YouTube

 

プレイヤーはドイツ軍かフランス軍いずれかの陣営に属し、ラウンドごとに攻守を繰り返す。ここで言う“攻守”とは、要するに塹壕の奪い合いだ。狭く汚い塹壕がリアルに描写されている。

しかも、ほとんどの歩兵は単射式のライフル銃しか持っていない。一発撃つごとにボルトを引く、というものだ。遠くにいる敵兵に銃弾を当てるのはなかなか難しいが、もし当てたら大抵の場合それが致命傷になる。もちろん、こちらが被弾しても同じだ。だから運要素も強い。

敵の塹壕にたどり着くまでに大半の戦友が屍と化すが、そこはさらなる兵力を投入して力押しするというリアルさも兼ね備えている。非情な部分まで凝りに凝った作品だ。

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