【未来探訪#004】教えて、新保先生!日本「ロボット立国」への道

「ロボット立国」の為に必要なのはリスクを取ること

-日本が“ロボット立国”する為の必要条件とはなんでしょうか?

新保先生、

<まず、日本は世界に対してイニシアチブを取り、国際的なルールや規格作りを主導することが、言語の問題などもあり得意とは言えない国です。

■1:イニシアティブを取ってルールや規格を決める
■2:新たな技術に見合ったビジネスモデルを発案し、実行する
■3:リスクを取る

といったようなことが出来ない限り、技術で優ってビジネスで負けるといった、他の技術領域における失敗を日本の産業界が再び繰り返すのではないか、というのが懸念です。

特に、この中で日本が最も苦手としているのが“リスクを取ること”です。とある家電メーカーの技術者が執筆した書籍において、10年前から『ルンバ』と同じものを構想していたのに、リリースで出し抜かれた、と悔しがっていました。

構想と技術はあったものの、例えば「モノにあたって壊してしまう」「階段から落ちてしまう」といったようなアクシデントで機械や家具を壊すリスクをどう軽減するか、といった課題を事前に解決しようとしているうちに、『ルンバ』に出し抜かれてしまったのです。

『ルンバ』は決して完璧ではありませんでした。この両者の違いは、新たな技術の普及に際してどこまでリスクを取れるかどうか、ということがポイントとなっています。

どんなことでも、“リスク”を完全に排除し切れるものではありません。

 

「ロボット8原則」で、世界スタンダードへ

新保先生、

<一方、日本人は決まったことをやることや守ることは得意です。

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)は、数多くの日本企業は取得していますが、その元となった『BS7799』というイギリスの規格を導入していたイギリス企業は、日本企業に比べると圧倒的に少ないといえます。

今回の『ロボット8原則』を外部に広めていくにあたりやろうとしていることは、いつもの決まったことだけをやるサイクルを破っていくことです。

グローバル・スタンダードを決める時に、国際的なルールに物を言えない状況では、“ロボット立国”の妨げにもなります。

そのバックボーンを担う基本理念や原則などの考え方を、先んじて世界に問いかけていく、というのがロボット法学の一つの目的でもあります。

1ページ目から読む