【未来探訪#005】3DプリントとIoTで「ものづくりの民主化」に挑むスタートアップベンチャーKabukuの挑戦

2020年には世界で21.8兆円市場に

世界的に活況になりつつある3Dプリンター市場だが、日本ではどうなのだろう?

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稲田氏、

<経済産業省が2014年に出した市場予想では、3Dプリントにより創出されるマーケット規模は、2020年に21.8兆円になると言われています。欧米には遅れていますが、日本もこれから急激に普及していくという予想ですね。

そういった全体のマーケットの中で、弊社のターゲットはコンシューマーや工場向けなどで、計20.8兆円ほど。今は、小ロットのモノを作る方が多いのですが、これから大量生産にも3Dプリンターを使うようになれば、可能性は十分にあります。>

 

第2のトヨタやソニーが生まれるかも?

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3Dプリントに関連する市場は、今後増加する期待が大きいが、その真っ只中でKabukuはどのような役割を演じるのだろうか?

稲田氏、

<ものづくりを開かれた世界にしていきたいですね。いわば“ものづくりの民主化”です。

僕は、大阪にある“工場の街”東大阪の出身なんですが、元々日本人は、独自に開発や製造をするクローズドなイノベーションが得意。職人気質というか、現場が優秀だから、閉鎖的でもよかったんです。

でも、もはやそれには限界があると思います。地元にある工場を見ていても、そう感じますね。

ここ数年、ソフトウェアやインターネットの世界がすごく伸びたのは「基本的にオープンにし、みんながハッピーになる」という思想があったからだと思います。

これからの“ものづくり”にも、同じような思想が必要ではないでしょうか。

いろんなものをオープンにすることで裾野が広がれば、多様なプレーヤーが参入できる。そうなれば、適切な“切磋琢磨”が起こり、コンシューマーにとってはよりよい製品が、リーズナブルに手に入るようになる。

そして、結果的に社会は質が高いもので溢れ、“みんながハッピーになる”と思います。

そのために、Kabukuとしては、世界中にいろんなデータを流通させて、適切な工場と繋がらせてもらう。また、ワンクリックで何でも作れるようなプラットフォームを作りたいですね。

いずれにしろ、今の流れは新しい“ものづくり”にチャレンジするチャンスです。日本から、第二のトヨタやソニーのような企業が出てくる可能性だって十分にある。

Kabukuは、デジタルのプラットフォームによって、その土台作りができたらいいな、と思っています。>

 

設立して3年、わずか10数名のスタッフで、ずっと「短距離走を続けています」という稲田氏。

目指すのは、日本の新しい“ものづくり”を支える縁の下の力持ち。

今後の飛躍に胸が膨らむ。

 

【取材協力】

※ 稲田 雅彦 – Kabuku
大阪府出身。2009年東京大学大学院修了(コンピュータサイエンス)。大学院にて人工知能の研究に従事。そのかたわら、人工知能や3Dインターフェースを用いた作品を発表し、メディアアート活動を行う。
大学院修了とともに博報堂入社。入社当初から、さまざまな業種の新規事業開発、統合コミュニケーション戦略・クリエイティブ開発に携わる。カンヌ、アドフェスト、ロンドン広告祭、TIAAなど、受賞歴多数。
2013年株式会社カブク設立。主な著書『3Dプリンター実用ガイド』など。

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