「歩きスマホ」に「フェイクスマホ」、現代病「スマホ依存症」を読み解く

スマホがリアルなコミュニケーションを阻害する

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(c)すしぱく

 

このように“スマホ依存症”になると、“ファビング(Phubbing)”という、リアルなコミュニケーションを阻害する症状が現れるから注意が必要だ。

つまり、スマホの画面が気になって、今そこでリアルに行われている会話や会議、指示といったことが上の空になってしまうという症状だ。

私は以前、休憩時間にカフェで読書をしていたとき、隣のテーブルにほぼ間違いなく“営業マン”といったスーツ姿の男性二人が座った。

営業途中の一服なのだろうと眺めていたら、明らかに後輩か部下らしい若い(まだ学生っぽかった)男性が、座ると同時にスマホを取り出しいじり始めたのだ。先輩らしき男性が話しかけると、驚いたことにその若い男性は、スマホから顔を上げもせずに「ええ、ええ、ああ、はい…」的な、気のない返事をしていた。

先輩らしき男性が怒るかと他人ごととして期待したが、すぐに自分の手帳を取り出して、次のアポの確認かなにかをし始めた。既に若い男性に対しては、何も期待していなかったのかもしれない。(あるいはその先輩も、後輩の行動に何も疑問をもたないほど、馴染んでしまっているのか……。)

“歩きスマホ”や“ファビング”以外にも、スマホ依存が高まると、ブルーライトを見過ぎて睡眠障害になったり、長時間頭を下げた姿勢で肩こりや頭痛、酷ければ“ストレートネック”といった症状も出る可能性がある。

また、ずっとスマホを持っているために指が変形してしまい、しびれや痛みを発する“テキストサム損傷”という症状も出ることがある。

そしてこれは因果関係がまだ明確ではないが、鬱にもなりやすくなる、という見る向きもあり注意が必要だ。

 

スマホ依存のきっかけ

なぜ、“スマホ依存症”になってしまうのだろうか。

常に最新のニュースを知ることで社会と繋がっていたい、SNSやメールで誰かと繋がっていたい、といったことだろうか。

あるいは、ゲームを始めると点数を上げることや次の面のことが気になって仕方がない、といったこともあるかもしれない。

人と繋がっていたいがために、現実のコミュニケーションが阻害されたり薄くなっているという、逆転現象は気にならないようだ。

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むしろ、“スマホ依存症”の人たちは、直に人と触れ合ったり物に触ったりすることは苦手になるらしい。

その結果、当然ながらスマホのヘビーユーザーとなり、多くの人がモバイルバッテリーを手放せなくなっていく。

重度の“スマホ依存症”になってくると、“ノモフォビア(nomophobia:No-Mobile-Phone -Phobiaの略)”という症状が出てくる。(「孤独恐怖症」を意味する“モノフォビア”とは異なるのだが、ある意味同義に近く、上手いこと表現するなぁと感心してしまう。)

“ノモフォビア”は、スマホのバッテリーが切れたり電波が届かなくなったり、あるいはスマホを忘れたことに気付いた途端にパニックになってしまう。

人によっては、声を上げたりするというから怖い。つまり、もはやスマホが無ければ、人や社会と繋がれないという錯覚に陥っているのではないだろうか。

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