「富士山帰属問題」と観光PR合戦。山梨と静岡、果てしなき攻防

地理的条件の優位

<一番考えさせられたのは、伊豆の件です。トラベルフェアでは、伊豆に関して質問を受けることは一度もありませんでした。>

 

伊豆といえば、東海道有数の観光地である。だが、日本国外での伊豆の知名度は、まるでないに等しい。東海道新幹線の停車駅があるにも関わらず、だ。

だが、トラベルフェアが閉幕したあとに催された、地元旅行業者とのB2B商談会では伊豆に関する質問が相次いだという。インドネシア側の業者にして見れば、伊豆を含んだ東海道観光ルートは新鮮味があったのだ。

そこで今後は、「日本一早く開花する桜」として知られる『河津桜』を大々的に宣伝し、そこを起点に下田、土肥、そして駿河湾フェリーでの富士山見物を経て、清水に抜ける観光ルートを整備していきたいという久保田氏の話である。

また、よく考えれば静岡県下の新幹線駅は『のぞみ』が停車しない。実はこの点は、外国人旅客誘致に対して大きなプラスとなる可能性がある。

JRグループが提供している『ジャパン・レールパス』という商品がある。

新幹線を含めたJRの鉄道を何回でも利用できるというものだが、実は『のぞみ』は対象外なのだ。つまり、東京から大阪までの“ゴールデンルート”を東海道新幹線で行くとしたら、『ジャパン・レールパス』利用では『こだま』と『ひかり』のいずれかになる。

新幹線(澤田オフィス)

 

現状、外国人旅客の大半が静岡県で停車しているということだ。となると、あとは「ここに寄り道していこう」という気分を喚起できるか否かという問題になる。

このように、「富士山はどちらのもの?」という議論は山梨、静岡両県の観光客誘致活動に直結しているのだ。

東南アジアから日本旅行を目指す人々が増える中、その争いはこれからより激しいものになるだろう。

 

【画像】

※ まちゃー / PIXTA

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