「銃とともに育つ」アメリカ南部の子供たち。銃規制を巡る意識格差とオバマの涙

南部育ちは子供のうちから拳銃を

アメリカの“保守派”は、すなわち“銃規制反対派”である。共和党員でありながらクリントン時代の銃規制法案に賛成した、シルベスター・スタローンという例外はいるものの、それ以外の共和党員は、ほぼ「銃こそアメリカの象徴」と考えている。

テキサス、ジョージア、フロリダ、ルイジアナなどの南部州は、景色も人の考え方もロスやシアトルとは違う。南部の子供たちは、幼い頃から銃とともに成長している。

シューティングサークルが主催する、子供向け講習キャンプも、南部では盛んに行われている。

 

この動画『Young Guns: Should Kids Learn How to Shoot Guns ? | Nightline | ABC News – YouTube』の通り、南部の子供にとって、銃の練習は“習い事”の一つなのだ。日本の子供が、そろばんやスイミングを習うのと同じ感覚かもしれない。

日本でも、かつて東北のマタギなどは子供に銃を教えていたが、こちらはあくまでも動物を対象にしたものである。拳銃と自動小銃は、動物ではなく対人目的のものだ。

こうした地域で生まれ育った政治家と、シカゴにマイホームを持つハワイ生まれのオバマ大統領が、銃問題で対立するのは、まさに必然なのだ。

 

相次ぐ誤射

一方で、子供が自宅にある銃を誤射してしまう事故が後を絶たない。

以下の動画は約2年前、ダイアン・ソイヤー女史がまだアンカーを務めていた頃の、ABCワールドニュースだが、大変衝撃的な映像だ。

 

自衛意識のある家庭では、枕の下にショットガンを隠すということも頻繁に行われている。いわゆる“ピローディフェンス”という習慣だ。

更に、引き出しを開ければ拳銃、ベッドの下に別のショットガン、棚の上にも38口径がそのまま置かれている。そうした剥き出しの銃を子供が手に取り、誤って引き金を引いてしまう事故が多発しているのだ。

ABCニュースによると、2013年は実に7,000人以上の子供が、そうした事故により救急搬送されたという。

「なぜ金庫に入れておかないんだ」と日本人は考えるが、それに対して「無法者が現れたら、すぐに銃を抜かなければならない」と答えるのがアメリカの保守派である。西部劇そのものの世界観だ。

オバマ大統領の銃問題に関する苦悩は、すなわち南部のカウボーイたちとの意識格差がもたらしているのだ。

 

【参考・画像】

※ 米大統領が涙の訴え 銃規制強化策を発表 – NHK

※ Ollyy / Shutterstock

【動画】

※ Young Guns: Should Kids Learn How to Shoot Guns ? | Nightline | ABC News – YouTube

※ Hidden Camera Experiment: Young Kids Drawn to Guns | ABC World News | ABC News – YouTube

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