すべての命を森に活かす。プロの狩猟家が進める「自然資源」の好循環

狩猟家と林業家の2つの視点を活かす活動

狩猟期間は毎年11月から2月まで。シカ肉は都心部でも人気が高まっている(写真:山崎伸康)

狩猟期間は毎年11月から2月まで。シカ肉は都心部でも人気が高まっている(写真:山崎伸康)

 

10歳の時から、猟師のお父さんの後について山を歩いてきた黒田利貴男さんは、南伊豆の山を知りつくすプロの猟師であり、林業家でもある。その両方の経験は、野生獣の管理や活用に留まらず、それを囲む山と森、海といったつながりも考えて活動する視点を生み出している。

「山や森が荒れれば、海も荒れる」

山と海の両方に恵まれている南伊豆の自然を見てきた黒田さんの言葉には説得力がある。

そのため、その活動は、森林資源の活用、耕作放棄地の再生、狩猟者や加工処理の人材育成、自然を活用したエコツーリズムと幅広い。

最近では、都市部でも黒田さんの活動を応援する人が増え、環境イベントなどでの講演も増えている。また、シカの端肉を使ったソーセージは人気で、製造が追いつかないほどだ。南伊豆の木で作った炭で、シカ肉のソーセージを焼いて販売し、その売上で山や耕作放棄地を手入れするといった循環が、実際に生まれてきているのである。

やや強面の黒田さんだが、狩猟で鹿を撃たなければならない時は話しかけるという。

「どうして出てきたんだ? 森にいなくちゃだめじゃないか」と。

限られた自然資源の中で、野生動物とどう折り合っていくか、問いかけはこれからも続いていく。

 

【取材協力】

※ 黒田利貴男 – 株式会社森守

【関連記事】

※ 船溜まりを再利用!「水に浮かぶ森」という斬新な発想がもたらすもの

※ 再生する命の物語を、復興に歩む東松島の森から日本の未来へ。

※ 癒し効果も倍増!? 森の音を「天然のサラウンド」で聴ける巨大木製メガホン

※ 温室効果ガス削減に繋がる?形状記憶合金で「環境にやさしい冷蔵庫」ができるかも!

※ これ1本で1000リットル!どこでも水分補給できる「ライフストロー」があれば災害時も安心

1ページ目から読む