JALの世界最長大気観測「地球温暖化の解明」へ重要なのは“継続”

「手動採取」では9時間以上座り続け!

大気採取は、人が手動で行う場合もある。

江藤氏、

<大気採取を行う路線は、ASEを搭載している航空機だけが飛ぶわけではないので、手動採取は代替手段として行います。測定するのは、ASEと同じ12地点です。

採取は、研究者の方が行う場合もあれば、我々(JAL担当者)が行う場合もあります。私も行きますよ。

観測者は、副操縦士席の後方座席に着席します。

th_操縦室内サンプリングの様子_日本語キャプション

資料提供:CONTRAILプロジェクト

 

シドニー-成田間の場合、朝シドニーを出発し夕方に成田へ着くまで、約9時間30分はずっと席に座っていますね。

操縦室は狭いので、休憩するには客席に行くしかないんですが、基本的に安全上の理由で出入りは最小限にしています。45分に1度の割合で採取をするので、それほど時間もないんです>

 

手動ポンプb

「MSE」 資料提供:CONTRAILプロジェクト

 

江藤氏、

<装置は、MSE(手動大気採取装置)というものを使います。

 

フラスコ

資料提供:CONTRAILプロジェクト

 

ハンドルを手動で回し、ポンプを動かして大気を採取するんです。フラスコ(上)内に大気を必要量(1地点1L)溜める必要があるため、ハンドルはかなりの回数を回す必要があります。

観測する12地点で計5,000回くらい、けっこう大変ですね(笑)>

 

JAL以外はドイツのみ

--航空機による大気観測は、他に実施しているところはあるのだろうか?

江藤氏、

<チャーター機などでは従来から実施されていますが、ルフトハンザ航空とEUの研究者を中心としたチームが、オゾンなどの観測をしています。

観測しているエリアは、主に大西洋やアフリカ、北米、南米、アジアなどです。採取したデータなどは、EUの研究機関で研究・調査されています。

 

我々のほうは、主に太平洋や東南アジア、シベリヤ域をフォローしているので、EUチームの観測が始まれば両者のデータを合わせて、全世界の大気を網羅できます。なので、研究者間でデータのやり取りを行う体制を作っています>

2015年2月までの観測路線_地名無し

資料提供:CONTRAILプロジェクト

 

江藤氏、

<他にも、我々は環境省・JAXA(宇宙航空研究開発機構)・国立環境研究所の人工衛星にもお役に立っています。

「いぶき」

「いぶき」 (c)JAXA

 

温室効果ガス観測技術衛星『いぶき』(GOSAT)が採取したデータの精度検証に、我々のデータが使われているんです。>

 

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