リモートワークが浸透して約1年半。このワークスタイルに対し肯定の声がある一方で、未だ不十分な制度や体制に対する不満、それに伴う課題点も多く残っています。この現状に対し、世間の人々はどう思っているのでしょうか。アンケート調査の結果やSNSなどでの反応から探っていきます。
不十分な在宅勤務の手当
「在宅勤務に伴う手当がない人は39.3%」であることをITMediaビジネスオンラインが報じました(※1)。コロナ予防のために出社を無くす動きに始まり、多くの会社で「リモートでも仕事が回る」という実感が湧き始めています。社会にリモートワークの価値観が浸透しつつあり、経費削減を理由にオフィスを縮小する動きも出ています。
その一方、社員に対する制度や手当てが不十分であるという課題もあり、“通勤費・オフィス維持費などの経費削減分を「在宅勤務手当」として支給すべきか尋ねると、7割弱が支給すべきだと思うと回答した”(※1)とのこと。
この報道に対し、SNSではさまざまな意見が上がっています。
国外の一部の企業ではリモートワークの意識が日本以上に高く、社員への手当てもより厚くなっているようです。グローバルな観点からみれば日本の不十分な体制や整備は“遅れている”といえるかもしれません。
従来のオフィス勤務であれば、電気代や水道代は会社が負担するのが当然です。在宅勤務になれば、光熱水費分の会社経費は減るわけですから、社員に手当として支給すべきとの声が上がるのも不思議ではないでしょう。
前述した光熱水費だけでなく、ディスプレイといった必要機器の支給を望む声もあります。実際にLIXIL住宅研究所が行ったアンケート調査でも、パソコンやアプリケーション、筆記用具の支給を求める意見もありました(※1)。
個人の自由か、会社都合か
リモートワークは、「自宅で働きたい」という個人の希望によるものがある一方で、ウィズコロナの対応策として会社都合で推進されている場合もあります。個人の自由でリモートワークを選択しているのか、会社都合なのかの線引きが曖昧なため、手当てを支給するのかという議論が進んでいないのが現状でしょう。会社によっては出社が必要な部門との不平等が生まれているという課題もあるようです。
一部にはすでに一時金が出ている企業も存在します。しかし、LIXIL住宅研究所が行ったアンケート調査では、7割弱が「在宅勤務手当」を支給すべきだと回答していること、そしてSNSなどでの反応を見るに、まだまだ制度が整っていない現状がありそうです。リモートワークがより浸透するにつれて、従業員の働き方をサポートする新たな体制や取り組みが、今後求められているのではないでしょうか。
【画像・参考】
※1 在宅勤務をしているのに「手当」がない人は約4割 支給してほしいものは? – ITmediaビジネスオンライン
※ Travelpixs/Shutterstock