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音声メディアが続々と台頭!人気の背景とは…?そしてラジオはどうなる

昨今、noteなどの文字媒体系メディアを追い越す勢いで注目を集めているのが、音声メディアです。ネットに繋げば手軽に聴けて、文章を読む労力もかからないことから、世代を問わず利用者が増えています。Appleが提供しているPodcastや、招待制音声メディアとして話題を呼んだClubhouse(クラブハウス)がそれに該当します。

こうした新たな音声メディアの台頭に伴い、存続が危ぶまれているのがラジオです。音声配信サービスが多角化し、発展を遂げる現代において、ラジオはどう生き残るのでしょうか。

Clubhouseの人気が衰退した理由

2021年初頭、SNS上を中心に注目された音声配信サービスといえば、Clubhouseでしょう。しかしほどなくして、その人気は下り坂になっている印象があります。

その理由について、ダイヤモンドオンラインは“参加が「招待制」だったことが大きい”と指摘しています(※1)。さらに、“当初は既存ユーザーから招待されなければ入会できず、しかも招待枠が1人2枠しか与えられていなかった”ことや、“5月にAndroid版アプリが配布されるまで、iPhoneでしか使えず、アプリの使い勝手も決して良いとはいえなかった”こと、“発信された音声は録音不可で、リツイートのように拡散できない仕様になっていた”ことなども人気衰退の要因と指摘しています(※1)。

しかし、これによって音声メディア全体の人気が潰えたかといえば、むしろ発展傾向にあるといえるでしょう。Clubhouseのこの失敗点を踏まえ、各音声配信サービスがアップデートを始め、より使いやすいメディアに進化していったことがその理由です。

それでも音声メディアが注目されるワケ

なぜ、音声メディアの人気が急速に拡大しているのか?について、Voicy(ボイシー)の創業者でCEOを務める緒方憲太郎氏は「ながら聴き」ができる点を挙げています(※1)。

例えば、キッチンで食器を洗っている時、本を開いたり、スマホを触って文章を読むことは難しいでしょう。しかし音声であれば、そばにスマホを置き、再生すれば、家事をしながらでも情報を入れることができます。

そのほかにも、通勤中の満員電車など、ながら聴きが役立つシーンは日常に多く存在します。これが、音声メディアが注目され続けている理由であると指摘しています。

何かをやりながら情報を習得する……という点では、「自分時間で割ける」という恩恵があるという声が出るもの至極当然でしょう。

手軽さの恩恵を受けるのは受け手だけではありません。ダイヤモンドオンラインはさらに、“「発信」する側の手軽さもメリット”であることを指摘しています(※1)。

例えばブログの場合、思いついたことを伝えようと考えてからメディアに流すまでに時間を要します。パソコンを開いて、キーボードを叩いて、段落を分けて……といった工程が必然的に発生するからです。しかし音声であれば、録音ボタンを押して喋るだけで発信が可能です。思いついてから伝えるまでの時間は数秒かもしれません。

また、文章が苦手な人でも発信できるというメリットもあります。今まで、伝えたいことはあるが書くことが苦手で躊躇していた、という方でも、音声配信サービスを使うことで手軽に発信することが可能です。

ラジオは衰退するのか?

こうした音声メディアの台頭によって存続が危ぶまれているのがラジオです。Voicyなどの音声配信サービスがあるいま、ラジオはなくなるのではないか……と不安視する方もいるでしょう。しかしながら日経TRENDによれば、ラジオは「今最も旬なトレンドが集まるメディアといっても過言ではない転機が来ている」そうです(※2)。

日経TRENDでは続けて、“国内ネットラジオ最大手「radiko」の月間利用者数が2020年3月に急激に増加し、1000万人に迫った”こと、“日間の利用者数は約170万人で、3月以前から30万人ほど増えている”ことを伝え、ラジオの人気は未だ衰えていないことを指摘しています。

その一方で、現在のRadikoは聞き逃し配信が利用できるのみで、過去のコンテンツを利用することができません。動画コンテンツがサブスクを開始し過去コンテンツを利用している現状を踏まえると、ラジオも“過去の資源を利用できるか”が人気継続の要になってくるのではないでしょうか。

さらに、現在少しずつ注目を集めているのが「双方向コミュニケーション」でしょう。Clubhouseもこれに該当します。発信者と受信者が会話したり、リアルタイムでコメントできる機能によって、伝える側と受け取る側がより近い距離で情報交換ができることがメリットです。“発信者と受信者の距離の近さ”も、ラジオの存続の鍵になるかもしれません。

【画像・参考】
※1 クラブハウスが下火になっても「音声メディア」の可能性が広がり続ける必然
※2 radiko会員は1000万人目前 今、企業がラジオに注目すべき理由
※Sutipond Somnam/Shutterstock