身近なアパレルショップとして人気を集めているユニクロ(UNIQLO)。9月17日にリニューアルオープンされるユニクロ銀座店では、同社の店舗で国内では初となるカフェを併設し、オリジナルのコーヒーとして展開すると発表されました。
コロナ禍でオンラインでの取り組みが増える傾向にありますが、UNIQLOの新たな挑戦に注目が集まっています。この発表に対する世間の反応には、どのようなものがみられるでしょうか。
ユニクロ銀座店で国内初のカフェを導入
9月8日のWWDJAPANの報道(※1)によると、“「ユニクロ(UNIQLO)」は、9月17日にリニューアルオープンするグローバル旗艦店「ユニクロ 銀座店」(12フロア、約4950平方メートル)に、国内では初となるカフェを併設すると発表した”とのこと。
さらに、カフェのメニューについては“最上階の12階の一部をカフェとし、オリジナルブレンドコーヒー(ホット/アイス、各200円)、数量限定のゲイシャ種ハンドドリップコーヒー(ホット、450円)と共に、銀座の老舗洋菓子店「銀座ウエスト」のバタークッキー(200円)を提供する”とのことで、オリジナルの「ユニクロ コーヒー」として展開されるそう。
ユニクロのカフェ導入による世間の反応
ユニクロの店舗で国内初となる取り組みということもあり、世間からは様々な声が寄せられていました。その中には、新しいビジネスモデルとしての狙いや、効果などについて考察したものも多くみられました。
スーツ大手の通販事業部の責任者であるというツイッターユーザーは「ユニクロ銀座店、カフェやサロン、花屋など異業種とも言えるコンテンツを追加している。そもそも12階全て入れるには商品構成がもたなくなったか、EC拡大で持つ必要がなくなったか」とコメント。商品構成の縮小やECサイトの拡大が、新たな取り組みを始めることになった原因の一つではないかという見方です。
「改装したユニクロ銀座店にはカフェが。見た感じめちゃめちゃシンプルなコーヒー店なので、目的地としての価値よりは店舗の回遊性や訪問回数を下支えするためのイメージなのかな」とコーヒーそのもので集客するのではなく、あくまで下支えにする狙いではというツイートも。
「ユニクロが銀座店にカフェ。いろんな効果はあると思うけど動線づくりが1番作る理由としては大きそうな気がするな。縦動線は難しい」という声も。12階もある店舗で動線をつくるために、良い施策となるのでしょうか?
『「ユニクロ コーヒー」飲みたい。価格帯が200円ってことは、「安くコーヒーを飲んで、のんびりしたのだから、何か買ってあげないと」って思わせる”スーパーの安売り”みたいな戦略かな?フロントエンド商品がコーヒーで、バックエンドの利益を稼ぐ商品がアパレルってこと?』との声も。カフェでの時間を提供することで商品への購入に繋げる狙いはありそうですね。
「商品を買う場だけでなく食べたり飲んだり楽しめる場所を作るという、MUJIやIKEAのような世界観を取り入れる議論をしていたのが、柳井さんに反対されつつも少しずつ実現していくのがすばらしいと思います!」と商品の購入以外でも消費者を楽しませる場にしようという取り組みを、社員が主体的に進めていることに感動するツイートもみられました。
また、「ブレンドコーヒーは一杯200円…安すぎる。ゲイシャ種のハンドドリップも数量限定で販売するみたいです。めちゃくちゃ行ってみたい!!」と期待に胸を膨らませる声もありました。
この状況でオフライン施策を打つワケは
昨今では企業による消費者の自由な時間(可処分時間)の奪い合いがみられますが、ユニクロではメディアによる商品紹介やECサイトの利便性、新商品登場のサイクルの短さなどから、オンラインでの可処分時間の奪取に成功していると言えるでしょう。
新しい取り組みであるカフェは、割安な価格設定によって消費者が気軽に利用できるというメリットがあります。顧客は買い物中や買い物終わりの一休みができ、ユニクロにとっては集客効果や回遊の活発化が期待できるかもしれません。
ユニクロで服を買うという行為がただ商品を購入するだけではなく、その店舗に来て楽しめる“価値提供”になるようにするという今回の流れは、消費者にとっても嬉しく感じるのではないでしょうか。コロナ禍でオンラインのコミュニケーションが充実し、直接的な人との関わりが減っているなかで、新たに“オフラインでの取り組み”を充実させるという挑戦は、私達の心を穏やかにしてくれるかもしれません。いわゆる“プロセスエコノミー”のような、過程を楽しむ文化になりつつあるのではないでしょうか?
【画像・参考】
※1 ユニクロ、国内店舗で初めてカフェを導入 9月17日にリニューアルする銀座店で – WWDJAPAN
※Ned Snowman/Shutterstock