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「正解は教えてくれない」脳科学者・茂木健一郎氏から学んだ“WILL”の大切さ

大人になると、時間が経つのが早く感じることはないでしょうか。

心理学の「ジャネーの法則」によると、大人になると新しい経験や発見が減り、幼少期と比べると時間が過ぎるのが早くなるそう。

考えてみれば、大卒であれば22歳まではひたすら知識のインプットの繰り返し。それにも関わらず、その後企業で44歳まで働いた場合、22年間はアウトプットの連続です。

実は筆者がその年代なのだが、ある時から仕事が楽になったことがあります。特に筆者は同じ会社で同じ職種に従事していたため、ある時点からどれほど新しい仕事であっても、過去に行った仕事の引き出しという“経験”で対応できるようになりました。

「楽にはなったが、なにか刺激が足りない……。この先も同じことが続くのだろうか。」とふと思った時に、仕事上の必要性から外部の勉強会に参加しました。

最初は面倒だったのですが、久々に教室に足を運びメモなどをとっていると、妙にワクワクして新鮮な気分に。オフィスで仕事をアウトプットしているよりも、知らない知識をインプットする機会が貴重に感じたのでした。

「あぁ、学生時代にこんな自由な感性で学習ができていたら……」と思わずため息をこぼしたことを覚えています。

学習は本来“WILL”であるべき

画像:Joyseulay/Shutterstock

そんな時に脳科学者の茂木健一郎氏の『第十一回 インテリジェンスの時代』を読み、軽く“目からウロコ”状態でした。

膨大な情報が溢れる現代で、自ら情報を取捨選択するインテリジェンスの重要性は納得感が高い。思わず自身に、情報の捌きができるかどうかを問いかけてみることに。

▶『第十一回 インテリジェンスの時代』はコチラ

ウロコが落ちたポイントは、そのインテリジェンスの高め方です。

アメリカやイギリスで主流となるホームスクリーニングという学習方法は多くの日本人には目新しい手法でしょう。極めつけが「学校に2-3日しか行っていない」天才音楽少女のエピソード。庭でなわとびを飛びながら作曲を披露するといいます。

多くの日本人にとって学校はMUSTの存在といえるでしょう。しかし天才少女はじめ積極的にホームスクリーニングを学ぶ子供にはWILLがあります。冷静に考えれば、同じ学習内容でもスタンスがMUSTよりもWILLの方が伸長するのは自明です。

さて、話を日本のビジネスパーソンに戻しましょう。前述の自分のように「大人になってから新しい知識を学ぶのは新鮮だ」と思う人はわりと多いと推察します。昨今、大人の学びなおし「リカレント教育」などという言葉もよく耳にします。

茂木氏の連載第一回によるとホームスクリーニング以外にも、教育動向はフリースクールや通信制の高校など選択肢が広がっているらしいのです。大人で時間とお金が自由になる状況であれば、さらに学ぶ場の選択の幅は広がるでしょう。

あなたがもし「毎日、過ぎるのが早い」と感じ始めたとしたら、“人生100年時代”に備えて新たな学びに踏み出してみるのはいかがでしょうか。

【画像・参考】
第十一回 インテリジェンスの時代
※Lia Koltyrina・Joyseulay/Shutterstock