政治/経済

バッハの銀座散策批判に見る人々の心理

選手や国民が観光禁止や自粛を求められるなか、オリンピックの閉会式翌日に銀座を歩くバッハ会長の姿が目撃され東京新聞で報道(※1)されるとSNSで大きな話題となりました。コロナ禍で自粛が求められているなかでそのような情報が流れたことにより国民からはどのような意見が多く寄せられたのでしょうか。

観光禁止のなか「銀座散策」か

東京新聞編集局の報道(※1)によると、「東京五輪閉幕から一夜明けた9日、国際\オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長とみられる人物が銀座を歩く姿が目撃され、ツイッターで動画や写真が拡散された。」とのこと。

さらに「一方、好意的な意見もあった。ツイッターに動画を投稿した都内在住の20代女性は本紙の取材に「通行人の小さなお子さんをあやしたり、写真撮影に1人1人対応したりしていた。やさしい方だと思った」と振り返った。」と報じられています。

バッハ会長の銀座散策に寄せられた意見

タレントであるデーブ・スペクター氏は“2週間隔離されただけでバッハ会長が銀座をブラブラした後で国際線で旅立ち、ずっと日本にいる僕たちは出歩くな!旅するな!というのは、やはり腑に落ちない。違いと言えば、迎賓館でパーティーやり、日本各地を大名旅行し、一泊300万円する超高級ホテルに泊まっていたぐらいだもん。”と、自粛を続けている国民としての立場から不満を言い表しています。

また“自分が外出するもしないも、その外出の必要性と感染状況を見比べて、自分の頭で考えて決めるしかない。「バッハが銀座を歩いたから俺も」「丸川大臣も諌めなかったから私も」と、誰かのせいにして自分を誤魔化し、自分の頭で考えること決めることから逃げるのは、独立した大人ではなくただの甘ったれ。”という誰が外出したのかは関係が無い、自粛するかどうかの判断は自分ですべきだという意見もありました。

「選手の外出は禁止なのに会長はOKどうなんだろ?」と、観光を禁止されていた選手との自粛に関するルールの違いに疑問が投げかけられた意見もあり、多数の共感を呼んでいます。

「暴動が起きなくて良かったよね」とバッハ会長の安全に安心した様子の意見もありました。SNSで散策している様子が拡散されたものの、暴動や危害を加えようとする人が表れず無事に帰れたことにほっとした人も多かったようです。

「しかし嬉々として記念写真を撮ってる日本人もなんだかなあ。」とバッハ会長に記念写真を求めた人への批判的な声も上がっています。人だかりができることで感染拡大に協力してしまうことへの懸念も含まれていると思われます。

また朝日新聞論説委員の駒木明義氏は「観光に繰り出して大会資格を剥奪されたジョージアの銀メダリスト2人が気の毒になるニュース。」と気持ちを表明していました。ジョージアの選手2人が7月30日に東京を観光したことに対し規則違反として、参加資格証を剥奪されるという出来事(※2)があり、今回のバッハ会長の行動と比較した発言のようです。

東京では特に感染拡大が続いており、オリンピックの観戦も無観客という決定がされました。国民としても長期的な自粛が求められておりフラストレーションを感じている状況で、オリンピック組織委員会の代表であるバッハ会長の行動は人々から批判的な目で見られてしまったように考えられます。

誰かが外出を自粛していなかったというニュースが報道されたとしても、私達は自分の意志でこれからも感染対策をしていく必要があるでしょう。

【画像・参考】
※1 ネット騒然…バッハ会長が銀座散歩? 選手は観光禁止なのに【動画あり】 東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
※2 【東京五輪】 ジョージアの銀メダル選手2人、東京観光 規則違反で資格はく奪 – BBCニュース
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