一日の約3分の1の時間消費する睡眠。必要な睡眠時間は人それぞれだが、それを完全にゼロにすることは不可能だ。
脳にとっても体にとっても睡眠は非常に大事だが、できれば効率よく短時間で済ませられるにこしたことはない。少なくとも、無駄にダラダラ寝てしまうということはなくしたいものだ。
そんな願いをテクノロジーが叶えてくれるかもしれない。医学的観点も含め、多角的に睡眠を把握して睡眠の無駄をなくす。そんなガジェットがこの『Neuro:On』だ。
睡眠の質を常時監視する
この『Neuro:On』は市販製品としてははじめて“脳波、眼球運動、筋肉の緊張、心拍数、血液循環の監視”を“業務用機器レベルの正確さ”で行える機械を内蔵したアイマスクだ。
このアイマスクをつけて就寝することで、前述した体の内部の様々なパラメーターを測定し、睡眠の質を分析してくれる。有名な話だが、人の睡眠には2種類存在する。脳は実質休んでいない浅い眠りのレム睡眠と、脳までしっかりと休息をとっている深い眠りのノンレム睡眠だ。
使用者の睡眠がレム睡眠かノンレム睡眠かといったことが、これらのアイマスクに内蔵された様々な機器で計測されたデータから、判断することが可能になる。
睡眠の無駄をカットする
そして、脳の休んでいるわけでない無駄な睡眠といえるレム睡眠の状態の時に、目を覚まさせてくれるというのがこの「Neuro:On』の特徴だ。
アイマスク内のLEDを光らせ、音ではなく光で自然に目を覚まさせるので目覚めはアラームよりも幾分かはよいはずだ。よくベットの上にスマートフォンを置けば眠りの浅いタイミングで起こしてくれる目覚ましアプリが存在するが、仕組み的にはそれに近い。
しかし目覚ましアプリのようにベットの上の動きを認識するのではなく、脳や眼球運動などの医学的な観点から目が覚めやすいタイミングを判断してくれるのだ。
正確性では圧倒的にこの『Neuro:On』のほうが上といえるだろうし、体を動かす状態に至っていなくても眠りが浅い状態であれば目を覚ましてくれるので、睡眠の無駄は格段に減ると推測されるだろう。目覚め後のボーッとした残眠感をなくすのにも一役買ってくれる効果があるようだ。
時差ボケにも効果あり
また、飛行機で世界中を飛び回る人々にとってこのアイマスクは救世主になるかもしれない。時差ボケに順応させるにもこのアイマスクが役立つのだ。
旅先を指定しておけば、専用アプリでもっとも効率がよく、時差ボケがおきづらい睡眠のタイミングを計算し、睡眠に入るべき時間、おきるべき時間を指定してくれる。もちろんアイマスク内のライトで目を覚まさせてくれるので、アラームの音で機内で迷惑をかけることもない。
睡眠のプロフェッショナルといえる『Neuro:On』。発売は2015年の第3四半期を予定しており、価格は299ドル(約36,000円)と高性能なセンサーを多数内蔵している割にはお手頃な印象を抱く。懸念されるであろう汚れも、ちゃんとセンサー類を外して洗濯できる仕組みになっているので安心である。
人類の睡眠を変える、大きなターニングポイントにもなるかもしれないこのアイマスク。発売が楽しみだ。
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【参考・画像】
※ Neuro:On – an intelligent sleep mask – Intelclinic
※ NeuroOn: World’s first sleep mask for polyphasic sleep by Intelclinic – Kickstarter