
ゴールデンウィークである。
既に旅先でこの記事を読まれている人もいるかもしれない。あるいは出かける準備をしている人がいるかもしれないし、全く外出せず、じっくりと自宅で映画鑑賞をするのだ、というインドア派もいるかもしれない。中には、ゴールデンウィーク中こそ書き入れ時だと働き尽くめの人もいるかもしれないが、是非、代休を取って休んでいただきたい。
さて、そのようなタイミングなので、今回はFUTURUS編集部がチョイスした、ゴールデンウィーク中に行ってみたいスポットを紹介したい。
金沢21世紀美術館
北陸新幹線が開通した金沢は、盛り上がらざるを得ないだろう。ということでまずは金沢21世紀美術館を紹介しよう。

石川県金沢市にある美術館で、有名な兼六園のすぐ隣にある。金沢城公園からも近い。周辺にもいくつかの美術館があるため、この辺りは芸術関連施設が集まっている地域だ。
金沢21世紀美術館の特徴は、総ガラス張りの円形の建築物で、あえて正面という存在を消してしまっている所だろう。実際、入場できる入り口も一箇所ではなく、複数の入り口から入場できる。
また、もう一つの特徴は、無料で鑑賞できるエリアが広く、有料エリアは一部分だということだ。そのため、美術館といっても敷居が低い。とにかく外壁だけでなく内側にもガラスが多用されているため、開放感がある。
金沢21世紀美術館では建築、現代美術、工芸をテーマに展覧会を行っており、変化し続ける“今”を感じられる美術館であろうとしているという。
せんだいメディアテーク
せんだいメディアテークは仙台市の複合文化施設だ。図書館、ギャラリー、イベントスペース、ミニシアターで構成されている。

せんだいメディアテークは建築家の伊東豊雄氏の代表的作品で、この建築物を目当てに海外からの観光客も多く訪れる。
名称の『メディアテーク(mediatheque)』がフランス語で“メディアを収める棚”を意味している様に、ここには書籍や音楽・映像(ビデオ、DVD、CDなど)などが保管されている。イベントスペースでは、展覧会の他に、演奏会、映画上映なども開催されている。
建築物は雑誌、テレビ番組、映画のロケにも利用されるほど美しい。構造も13本のチューブ(鉄骨独立シャフト)と各階が異なる平面計画が採用されるという独特な空間設計がなされている。
この構造は、実は旧来の日本家屋と同じ建築思想なのだそうだ。そのため、海外からの観光客は、フランスのル・モンド紙でも紹介されたこの建築物を目当てに訪れるらしい。
モエレ沼公園
札幌市の市街地を緑地の帯で包み込む『環状グリーンベルト構想』というものがある。その一環として作られたのが札幌市東区にあるモエレ沼公園だ。

世界的彫刻家のイサム・ノグチ氏が基本設計を手がけ、公園全体を彫刻作品にするというコンセプトで造成された。広大な敷地に様々な景観が作りだされており、春は桜、夏は水遊び、秋は紅葉、冬はなんとクロスカントリーやスキー、ソリなどで遊べるなど、四季を通して楽しめる公園だ。
そしてモエレ沼公園は自然環境保全の観点から作られたことも注目された。元々ゴミ処理場跡地を利用しており、公園のシンボル的な施設であるガラスピラミッドは、雪を利用した冷房システムを採用している。
このガラスのピラミッドの他には、海の変化を表現する『海の噴水』、子供達の遊具が集められた『サクラの森』、海辺をイメージした『モエレビーチ』、片面はなだらかな丘で、反対面はピラミッドの様な石段の『プレイマウンテン』、札幌市内を見下ろせる『モエレ山』、巨大なステンレスの円柱に覆われた芝生の丘『テトラマウンド』、巨大な壁が音響効果を備えた『ミュージックシェル』、水と石の広場『アクアプラザ & カナール』など、様々な施設や造形が楽しめる。
直島
さて、最後に香川県高松市の北方13kmに浮かぶ直島を紹介したい。島への直行便の船は高松港と宇野港から出ている。

猫が多いのどかな島で、島全のいたるところにアート作品を見つける事ができる。見所を紹介しよう。
海の駅『なおしま』
芸術の島らしいモダンな作りで、フェリーターミナルに隣接しているため、島の玄関としての役割もある。そのため、施設内には観光案内所、カフェ、乗船券売り場、特産品販売店、バスターミナルが設置されている。
ベネッセアートサイト直島
直島で展開されているアート活動の総称だ。ベネッセハウスという宿泊できる美術館を中心に、島中にアート作品が置かれている。古民家が並ぶ本村地区では、古民家自体を改修したアート作品がある。
地中美術館
直島の南側にある美術館で、島の景観を損なわないようにと、建物の大半が地下に埋設している。しかし自然光が館内に降り注ぐ設計になっており、クロード・モネやウォルター・デ・マリアなどの作品が恒久設置されている。
ふるさと海の家『つつじ荘』
海岸線に13棟からなる邑(むら)が形成されており、直島の豊かさを体感できる様に町内外に開放された施設だ。
直島釣り公園
釣りマニアだけでなく、家族連れでも直島の海を釣りを通して楽しめる公園となっている。
直島女文楽
直島は古くから芸能が盛んだったが、昭和32年に、下火になっていた文楽を女性たちが再興したことから、女性だけの文楽として活動を続けている。
007赤い刺青の男記念館
なんとあの『007』シリーズには、直島が登場する「赤い刺青の男」という小説があったのだ。そこで、映画化実現へのムーブメントとして作られたのが、『007』関連資料を展示するこの施設だ。
エコアイランドなおしまプラン
島の雇用拡大を含めた活性化のために、現在課題となっている廃棄物処理について、新たなリサイクルシステムを構築した環境産業として設置された施設だ。循環型社会のモデル地区とすべく稼働しており、見学もできる。
三菱マテリアルPLANTツアー
三菱マテリアル(株)直島製錬所は、銅、金、銀などの生産では国内トップレベルらしい。このプラントも、見学することができる。
なおしまスラグ陶芸体験工房
香川県直島環境センターでの産業廃棄物処理の過程で発生したスラグを混ぜ合わせた粘土による、器やアクセサリー作りを体験できる工房だ。
さて、以上の様に紹介してきたが、ゴールデンウィーク中の営業時間などは事前に確認してから訪れるようにして欲しい。
皆さんは、どのようにゴールデンウィークを過ごされるのだろうか。
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※ 金沢21世紀美術館 | 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa.