Microsoftが先日公開した、顔写真から性別と年齢を推測するWebサービス『How-Old.net』が話題になっている。ネット上では実年齢との差に一喜一憂する声やミスマッチを楽しむ声、あるいは人物以外のものでも年齢を判別してしまう同サービスに対する驚きの反応が挙がるなど、世界中で盛りあがりをみせている。
そんなMicrosoftが2012年の10月に申請していた、あるメガネの申請が先月末に承認された。インターネットに接続して利用するこのメガネ型デバイスでは、視界のなかにいる人の感情を検出・解釈することが可能だという。
個人やグループを対象に感情を分析
今回、米国特許局が承認したことが明らかになったのは“wearable emotion detection feedback system”と名付けられた技術。同社がインターネット関連の技術で特許を申請するのは珍しいことではなく、実用化の有無に関わらずこれまでも多くを取得している。そのため、今回のシステムがすぐに商業利用されるかどうかは不明だが、斬新かつ野心的なアイディアであることは間違いないだろう。
公開された文書によると、このメガネ型デバイスを着用したユーザーは、自分がその人物を知っているかどうかに関係なく個人やグループを対象に、視覚的・聴覚的な振る舞いから相手の感情を知ることができるそうだ。
言葉のチョイスや声質といった微妙な変化も検出
このシステムでは、3Dデプスセンサーを備えたカメラやブリッジ付近に搭載されたマイクで解釈された周囲の人々のジェスチャーや表情、姿勢といったデータをリアルタイムでユーザーにフィードバックすることが可能に。笑顔や怒りの表情など容易に読み取れるものだけでなく、目の動きや言葉のチョイス、声質や発話スピードといった微妙な変化にも反応するという。
髪の毛をいじるという行動ひとつでも、それがデート中ならば好意や関心を示唆する一方、仕事中ならば退屈さのポーズになりうる。このデバイスでは、こうしたコンテキストによって変わる意味を読み解くことまでを目指しているようだ。
面接や質疑といった1対1での会話で、あるいは大勢の前に立って行うプレゼンといった場面で、実用化されれば活用の場が広くなりそうなこちらのデバイス。人間の感情が対象になるため中途半端な精度では逆効果になりうる危険も孕んでいるものの、今後の発展が非常に楽しみな分野と言えるのではないだろうか。
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