4月25日にネパール中部でマグニチュード7.8の大地震が発生した。これまでのところ7,500人の死者が確認されており、建物は36万棟が被害を受けている。
この大地震は、まさに現在、新たな超大陸が形成されつつあることを示していると主張する研究者がいる。インド・プレートとユーラシア・プレートが一緒に移動しているために発生した地震だというのだ。
研究者は被災地で、超大陸が形成される過程を調査しはじめている。その新たな超大陸『Amasia(アメイジア)』が形成されつつあるという学説は以前からあった。
カーティン大学の地質学者である李正祥博士(Dr Zheng-Xiang Li)は、インド・プレートとユーラシア・プレートが衝突していることを調査するためにネパールに飛んだ。
移動し続ける大陸たち
インド・プレートは、既にユーラシア・プレートに接しているにもかかわらず、1年間に2~3センチメートル北に向かって移動している。
この移動はインド・プレートだけではない。他の大陸もお互いに接近している。
太平洋は1年に2~3センチメートル狭くなっており、アメリカは最終的にはユーラシアに衝突するだろう。
また、オーストラリアは1年に7センチメートルアジアに向かって進んでおり、いずれアメイジア大陸に結合する。
李正祥博士がいうには、アメイジア大陸が完成するまでには少なくとも数千万年以上、あるいは数億年かかるだろうとのことだ。
高解像度の断層撮影や地理情報システム、あるいはコンピューターの計算能力の向上といっった新しい技術によって、研究者達はこれらの変化を追跡することができるようになった。
例えば彼らは、13億年前に存在したというロディニア大陸やパンゲア大陸と比較することができる。これらの技術によって、地球の表面の変動であるプレートテクトニクスと地球深部のマントルの動き、そして地質学上の痕跡が関連づけられるという。
次の超大陸アメイジア大陸はどこにできるのか
とはいえ、アメイジア大陸がどこにできるかについては意見が割れている。
ある研究者達は、アフリカに集まるといい、ある研究者達は北極に集まると主張しているのだ。後者の説に従えば、南北アメリカ大陸は一つに成り、カリブ海と北極海は消滅し、アジアはアメリカと結合する。これらの変化は5千万年から2億年の間に起こるらしい。
さて、ネパールだが、ここはインドとアジアの境界に位置する。2つのプレートがぶつかりあっている所であり、地殻構造上の活動が引き起こされる場所なのだ。
大陸移動説は、現在の大陸同士の形が上手くかみあうことに気付いたドイツの科学者アルフレッド・ウェゲナーが、1912年に提唱したものだ。地球の表面は7つのプレートといくつかの小さなプレートで構成されており、人間の爪が伸びる速さと同じくらいの速さ、つまり1年で2~3センチメートルで移動している。
これらのプレートが互いに移動する際に生じる摩擦が、地震を引き起こしていると考えられている。地球は生きているのだ。
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【参考・画像】
※ Nepal earthquake highlights how Earth’s newest supercontinent is forming – Daily Mail Online