「何が現実だ? 現実をどう定義する? もし君の言っているのが感じるとか臭いがするとか味がするとか見えるのなら現実は脳が解釈するただの電気信号だ。」これはSF映画の名作でもある『マトリックス』に登場する人物のセリフだ。
『Oculus Rift』のようなVRヘッドセットはヘッドセットタイプにすることによって、バーチャルリアリティの没入感を高めるのに成功した。しかし『Oculus Rift』はどちらかというと、視覚を進化させることには成功したものの、他の5感に訴えかけることは少なかったと思う。
そこに目を付けたのがFEELREAL社だ。同社は、より仮想現実を楽しむためのヘッドセットをリリースした。今回はそれを紹介していこう。
仮想現実内の風や炎を感じ取ることができるマスク
紹介するのは、5感を刺激するヴァーチャルリアリティガジェット『Virtual Reality Mask and Helmet』だ。
まずはマスクのほうを紹介していこう。このマスクは仮想現実内で起こっている風やニオイを再現してくれる。
風は頬の部分に取りつけられたファンによって感じることができ、ヒーターも搭載していることから熱風をも感じ取ることができる。また水のミストを内部的に生成可能なので、水しぶきや雨といった場面も体感することが可能だ。
ニオイの生成も秀逸な出来である。調香師によってブレンドされた香りによって、ジャングルのような濃厚な緑の香りから、タイヤがスリップしたときの焦げる臭い、あるいは銃の硝煙など22種類の香りを嗅覚から感じ取ることができる。
これらの風や香りはマスクの中に内蔵されたソフトウェアに組み込んでおくことで、仮想現実内の場面で自動的に作動させ没入感を高めることができるだろう。
さらに、マイクも内蔵されているので、映画鑑賞のような使い方だけではなく、コミュニティ型のアクションゲームなどでも使うことが可能だ。
没入感をより高めるヘルメット
ヘルメットのような形のヘッドセット『NIRVANA』は、前述したマスクを組み込むことができる。視覚用のスコープは、代表的なVRヘッドセット(Oculus Rift、Samsung GEAR VR、Sony Morpheus、Zeiss VR One)を組み込むことによって完成する。
マスクと組み合わせることで5感を仮想現実に預けることによって、完ぺきに映画やゲームの世界に没入することができる。平日の夜にうっかり使ってしまうと、明日の勤務に影響を及ぼしそうなので注意が必要になるだろう。
『Virtual Reality Mask and Helmet』は現在クラウドファンディングのKickstarterで資金調達中だ。300ドルでマスクとデモ体験ができるDVDと3Dゲームが、そして600ドルでヘルメットとデモ体験ができる映像と3Dゲームが購入可能となっている。
インドアに刺激的な体験を求める方は、ボーナスの購入リストに入れてもよいかもしれない。
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