まったく同じ場所の景色も、時間や天候によってちがう表情を見せる。それをとらえるのがタイムラプスという映像だ。時間をあけて撮影した画像を連続で再生することにより、何時間にも、あるいは何日にもわたる風景の変化を短い時間で早送り再生しているように見ることができる。
カメラを固定して撮影してもじゅうぶんに魅力的な映像になるが、カメラを少しずつ動かして撮影すると、タイムラプスはさらにダイナミックなものになる。ここで紹介するのは、それを簡単に実現してくれるデバイスだ。
2万分の1回転単位で角度調節
クラウドファンディングの『Kickstarter』で資金募集中の『Radian2』という製品である。スマートフォンからBluetoothを使って設定でき、カメラとはUSBケーブルなどで接続することができる。
『Radian2』という名前のとおり、この前のモデルが存在し、そちらはすでに市販化されているが、先代モデルは、設定にはスマートフォンと『Radian』本体をケーブルでつなぐ必要があった。それを、ワイヤレスでできるようにしたことで、設定は圧倒的に楽になったといえる。
そして『Radian2』は、カメラにシャッターを切る指令を出せるほか、1回転の2万分の1という細かさで、自動的に角度を調節することができる。この角度調節機能をタイムラプス撮影と組み合わせることで、スムーズな動きを実現することができるのだ。その効果は下の動画を見ていただきたい。
基本の『Radian2』は、パン(水平方向の首振り動作)だけが可能だが、オプションで用意されるL字ブラケットを使えばティルト(垂直方向の首振り動作)も、さらにリニアアダプターキットを使えば、レールの上をスライドさせることも可能になる。
さらに、『Radian2』は3つまで同時にプログラムできるので、3つの『Radian2』を用意すれば、パン、ティルト、スライドの3つの動きを複合的に使うこともできる。
またタイムラプス撮影だけでなく、動画撮影のときのパンやティルトも、最大毎秒4.4度までのスピードで使うことが可能だ。
カメラの設定もスマホでできる
『Radian2』がワイヤレスで接続できるのはAndroidとiOSのデバイスだ。専用のアプリを使って、撮影時間や角度やシャッターのタイミングを設定できる。
また、先代の『Radian』はトリガーポートと接続する方式だったので、『Radian』側でできるカメラの制御はシャッター関係に限られていたが、『Radian2』ではUSBを使って本体とカメラを接続することができるようになった(ただし機種によって異なる)。
そのため、絞りやISO感度などもスマートフォンで設定し、『Radian2』経由で制御できるようになったほか、撮影した画像のサムネイルもスマートフォンを使って見ることができる。
『Radian2』はキャノン、ニコン、ソニーをはじめとするさまざまなカメラに対応している。なおキャノン『EOS5D Mark III』をティルトできるだけの力を持っている。
市販時の価格は280ドル以上になる予定で、スライドキットやL字アダプターはオプション設定となる。
かつてタイムラプス撮影というのは、手間をかけるか高価な機材を用意しなければできないものだったが、テクノロジーの進化によって、一般ユーザーでも簡単にできるようになった。
いっぽうで、タイムラプス撮影にしても、カメラが動くことで動画は飛躍的にダイナミックになる。このデバイスならプロも使えて、アマチュアも楽しめるものだといえるだろう。趣味やアート、施設のプロモーションなどの商業ユース、さまざまなことに使えそうだ。
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【参考・画像】
※ Radian 2: Time Lapse, Motion, and Wireless Camera Control – Kickstarter