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決済とウェアラブルの新たな切り口!? 一見不便そうな決済機能付ブレスレット

決済とウェアラブルの新たな切り口!? 一見不便そうな決済機能付ブレスレット

Apple Payをはじめ、スマートフォンなどのデバイスと組み合わせた“電子決済”が注目を集めている。『PayPal Here』や『Square』といった世界中で展開を始めているサービスも多く、一方『Coiney』などの国内発のサービスもあり、どれが残り“他社とどう差別化していくのか”今後が注目されている。

その中で新たな決済サービスがまた1つスタートした。正直便利ではないのだが、“新たな切り口を見せてくれるようなサービス”だ。

 

プリペイドのウェアラブル決済端末

それが『PureWrist』という、現在クラウドファンディングの『Indiegogo』で出資を募っているサービス・プロダクトだ。

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名前の通り、“腕に着けて使うウェアラブルのアイテム”である。バンドはシリコン製で、水にぬれても問題ないため、基本的には常時身に着けていても邪魔になることはない。

バンドの部分には、クレジットカード大手MasterCardと共同開発した『Gratidude』というサービスの“非接触IC”が入っており、決済端末にこの部分をかざすことで決済をすることができる。

ただ、このサービスはMasterCardの提供するプリペイドサービスがベースになっており事前入金が必要になるので注意が必要だ。この点他のクレジットカードをベースとした決済サービスと比較すると不便な点だろう。

ただ、これなら他のサービスのほうが……と考えるのは少々早計だ。この『PureWrist』はこの不便さと腕に身に着けられるという利点を“上手くあわせていることに価値”があるのだ。

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利用シーンをあえて限定する

腕に着けていることで、いつでもどこでも気にせず持ち運べる。そこにこの『PureWrist』の価値がある。

散歩やランニングのついでに自販機で飲料を買ったり、近場のコンビニやスーパーにちょっと買いだしに行く。そんな時に手ぶらの便利さをこの『PureWrist』は提供してくれるのである。

提供側も、それを狙ったかのように対応店舗をコンビニやスーパー、自販機と比較的“低価格の決済を行う店舗を中心”に展開している。

一見すれば腕に着けられるだけでプリペイドの不便なサービスに見えるが、“想定された利用シーンとユーザー”を明確にすることでその利用シーンに“最適化”され便利になってくるのである。しかもその利用シーンが誰にでもあてはまるものゆえに、その価値に納得してしまうのだ。

ちなみに、これがクレジットだったらなおさら便利だろうか。人にもよるだろうがクレジットを常時腕に付けておくのはあまり気分のいいものでもないし、紛失した時を考えるとちょっと……と考える人もいるのではないだろうか。

低価格決済が中心ゆえにそこそこの金額をチャージしておけば月に1度位の手間で済むだろうし、“あえてリスク管理を自分でできるようにしている”と考えることも出来るだろう。

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『PureWrist』は前述のとおり現在クラウドファンディングの『Indiegogo』で出資を募っている。

40ドル(約5,000円)の出資で手にすることができるがこのサービスはカードの関係上、アメリカのみでの提供だ。日本よりカード社会のアメリカならば、確かにこの手のサービスは必要とされているのではないだろうか。

それに加え、日本で提供する際には非接触ICの端末など様々な障壁があるのも事実だ。この辺を上手くできる事業者が日本でも現れれば、大きなマーケットをものにできる可能性もあるのではないだろうか。

 

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【参考・画像】

PureWrist: Contactless Payment Bracelet – Indiegogo