五大陸を訪れた経験から、世界で幅広く通用する3つのアクティビティといえば、英語とサッカーとダンスじゃないかと、なんとなく思っている。
そのうちのふたつとからんだ話題だ。サッカーのUEFAチャンピオンズリーグ決勝を前に、日産ヨーロッパがNV200の電気自動車版『e-NV200』をベースとした“移動ディスコシステム”ともいうべき『PART e-VAN』を製作し、決勝が行われるオリンピアシュタディオンに展示したという。
ディスコに早変わりするバン
この『PART e-VAN』(パーティ・バンと読むのだろう)は、さまざまな楽しい特徴を備えている。
まずルーフ上に備えたDJブース。さらに14,000Wの音響システム、ソーラーパネルが貼られ、昼間に『PART e-VAN』の充電にも貢献するディスコ・ボール、車体側面に搭載されたインタラクティブなスクリーン、ライトアップされるダンスフロア、電動のノンアルコール・カクテルメーカーなどなどだ。
これで『PART e-VAN』は現代的なサイレント・ディスコに早変わりする。
EVは拡張性が高い!?
日産はこれで、EVバンをカスタムすることで可能になるさまざまな拡張性をアピールしたいようだ。たしかにEVは大容量の電池を備えているので、オフグリッドでもそれなりの電力を供給することができる。このような移動式ディスコも簡単にできるというわけだ。
この移動式ディスコはひとつのアイディアにすぎない。EVを使えば、さまざまな移動式のアクティビティが、従来より簡単にできるようになる可能性がある。この『PART e-VAN』は、このあとル・マン24時間レースで展示されたあと、ヨーロッパ中を巡ってデモンストレーションを行う予定だという。
ところで話は戻るが、「サイレント・ディスコってなんだ?」と思って調べてみたところ、ヘッドフォンを使って音楽を聴いて踊るのだという。まわりの空間には音は出ない。周囲に騒音で迷惑をかけずに済むというのだ。
なんかちょっと引っかかる。“抑圧された未来の姿”を描いた数十年前のSF小説のようだ。もうひとつ気になるのが、“ノンアルコールのカクテル”というところだ。
そんなに真面目なの? ベースが腹に来なくていいの? アルコールでちょっとハイにならなくていいの? ダンスって、ちょっと羽目を外す要素もあるんじゃないの?
いや、周囲に迷惑がかからないならそれに越したことはないし、それによってダンスができる場所の自由度は大幅にあがるだろう。アルコールがなくなってダンスは楽しいはずだ。世の中があまりにも“健全”、“清潔”を求めるのは危険な気がするけど、むしろこんな移動式ディスコで、いろいろなところで踊れるようになったら、それはそれで楽しそうだ。
というわけでいいことにしよう。なんだかんだいってもこの『PART e-VAN』にもスピーカーは備えられているし、アルコール入りのカクテルが作れないということもあるまい。
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