この2010年代は“小さな産業革命”ともいえる時期になっているのではないかと筆者は思っている。10年前は未来の技術だったものが、この数年で市販間近になり、いつのまにか発売されている。電子機器の高性能化、小型化のおかげだ。
そして、現実的なデバイスとして入手、活用できるHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が、またひとつ発売された。
スマートフォンを装着して使用する
Samsungの『Gear VR Innovator Edition』だ。同社のスマートフォン『Galaxy S6』または『Galaxy S6 Edge』を装着してVR(仮想現実)を楽しめるHMDである。現在は『innovator Edition』つまり開発者用バージョンだが、4月から申込み受付を開始し、すでに一般ユーザーも購入はできるようになっている。
この『Gear VR』、バーチャル・リアリティに関しては最先端の技術を持つOculus VR社と共同開発され、有機ELによる5.1インチクアッドHD(2,560×1,440ドット)Super AMOLEDディスプレイを搭載して、高い没入感を実現しているという。
米国Oculus VR社が運営する『Oculus store』から『Gear VR』専用のコンテンツを楽しむことができる。ゲームやエクスペリエンスとしては360度その世界に没入できるコンテンツが用意され、自分だけのプライベート映画館にいるような映画の視聴が可能だ。
『Galaxy S6』または『S6 Edge』に保存されている画像や動画を楽しんだり、360度パノラマ動画、パノラマ画像を楽しむこともできる。コンテンツやアプリは今後もさらに拡充される予定だ。
装着時の快適さにも配慮
また、人間工学にもとづく快適な装着性を目指して、重量バランスが最適になるようなストラップデザインを設計し、額や後頭部にかかる負担を大幅に軽減している。
サイズは約幅196.1×長さ98.5×高さ82.8mm。重量は271g。視野角は96度だ。実勢価格は2万円台なかばなので、『Galaxy S6』、『S6 Edge』のユーザーにとっては現実的なデバイスだろう。
なにせバーチャル・リアリティなので、こんな記事を書いていても、実際に使ってみないことには没入感はわからない。さいわいこのデバイスは各地の『Galaxy Shop』で体験できるそうなので、ぜひ実際に使って試してみてほしい。
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【参考・画像】
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