電脳にサイボーグ、AI……今話題となっている最新テクノロジーのキーワードがギッシリ詰まったアニメが『攻殻機動隊』。その新作映画『攻殻機動隊 新劇場版』が6月20日より全国ロードショー公開される。
最新テクノロジーが満載のアニメ
『攻殻機動隊』をご存じの方は多いと思うが、知らない人のためにちょっと説明。
原作は士郎正宗氏が1989年に発表した漫画で、1995年に長編映画『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が公開された。
舞台は2029年、核戦争後の日本。情報ネットワークとサイボーグ技術が進化、人々の意思が“電脳”で繋がれた近未来だ。その時代では、“サイバーテロ”や“電脳犯罪”が多発、それらを防ぐために結成された主人公『草薙素子』率いる公安9課、通称『攻殻機動隊』の活躍を描いた作品だ。
2002年には、テレビアニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』が放映されるなどでシリーズ化されたこの作品は、カルト的人気を誇る。映画監督のジェームス・キャメロン(アバター)やウォシャウスキー姉弟(マトリックス)をはじめ、世界中のクリエイターに影響を与えたのは、映画ファンなら有名な話。
今回の『新劇場版』は、シリーズ25周年記念作品。
2013年から劇場公開された新4部作『攻殻機動隊ARIZE』の続編で、『攻殻機動隊』結成前のストーリーが描かれている。
クルマの自動運転からAIまで
前置きが長くなったが、このアニメには、最近話題となるテクノロジーのキーワードが満載だ。
例えば、
(1)擬体化:体の一部や全部を人工の器官に変えること。主人公の『草薙素子』はじめ、登場人物の多くが全身を擬体化、つまりサイボーグになっている設定だ。
(2)電脳:マイクロマシン技術などにより、情報ネットワークに接続できる脳に変えていること。ネットワーク接続時は、喋らなくてもお互いで会話ができるが、ウイルス感染などの恐れもある。
(3)AI:最近話題の人工知能。劇中では、AIを搭載した多脚戦車で、おちゃめなキャラのロジコマが登場。ほかに、人型ロボットも多数登場する。
(4)クルマの自動運転化:クルマやオートバイは、自分で運転できるほか、オートで走行することも可能。また、交通管制システムもかなり進んでいて、渋滞は意図的に起こさない限りは“一切ない”という設定だ。
“電脳”と“擬態”はまさに不老不死
このように、『攻殻機動隊』には、近い未来に見え隠れしているテクノロジーが、現実のものとして描かれている。自動運転車やAIももちろんそうだが、さらに興味深いのは“電脳化”と“擬態化”。
“擬態”は老朽化したり壊れたりするが、“電脳”を新しい“全身擬態”に入れ替えれば、まさに“不死”となる。『ゴースト』と呼ばれる“魂”だけが唯一自分のオリジナルだ。ナノロボットや遺伝子工学などの研究で最近話題になっている“不老不死”よりも、こちらのほうがなんとなく実現可能性が高そうな気がする。
ともあれ、最新作はどんな展開を見せるのか?
予告編の動画では、電脳ウイルスのファイヤースターターが物語のキーとなるようだが、公開が今から楽しみだ。
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