DJIといえば『Phantomシリーズ』など、RTF(Ready To Flight)の完成品を中心に販売、世界中で多くの支持を得ている。残念な事件ではあるが、首相官邸事件でも『Phantom2』が使われてしまったほどだ。そのDJIからドローンを利用したアプリケーションやサービスの開発用途向けの製品が発売される。
開発者のためのクワッドコプター
これまでの『Phantomシリーズ』や昨今発売となった『Inspireシリーズ』は、どちらかというとその用途はホビーや空撮といった一定の用途に向けて特化、性能を高めている。一方で、ドローン自体の応用範囲は広がり、特に産業向けに空撮以外でも様々な用途に使われる可能性が高まっている。
これまで開発といえば普通のラジコン同様、色々なパーツを組み合わせて自作するという手法がとられていたが、この『DJI MATRICE 100』は開発で必要となるコンポーネットのほとんどがセットとなっており、開発者はアプリケーション開発に集中できるのがよい点だ。
セットにはDJIが培ってきたノウハウが詰まっているフライトコントローラー、モーター制御システム、GPS、コンパス、ビジュアルセンサー、映像伝送システム、リモートコントローラー、充電式バッテリーなどが含まれる。
DJIからはSDKが提供され、これを使うことで様々な応用ができるという。例えば人気のない屋内駐車場は車上荒らしの被害が多いが、ドローンを巡回させて防犯に役立てることも可能だ。
業務用途でのデファクトスタンダード
ドローンの可能性に気付き始めたのは何も先進国だけではない。世界中であらゆる研究機関、開発機関が注目、投資を行っている。その中で開発プラットフォームとして標準的に使ってもらおうというのがこの『DJI MATRICE 100』の狙いだろう。『Phantom』で世界を席巻したように、さらに広がる業務用途でもデファクトスタンダードとなる戦略だ。
安定して飛ぶ、という段階から、飛ばして何をするか、という段階に完全に移行した。法規制の機運が強まる日本国内だが、その間にも世界では開発が進んでおり、技術格差が懸念される。
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