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飼い主に協力しない相手は嫌い?イヌが他者を評価する基準が判明

 

飼い主と他者のやり取りを見て協力的でない人物を避ける

援助条件と統制条件ではイヌはでたらめに人物を選んだが、援助拒否条件では、高い頻度で応答者を避けて中立者からおやつを取る結果に。イヌは、飼い主と他者のやり取りを見て、協力的でない場合にはその人物を避けることが分かったのだ。

取り出そうとした物体は、イヌにとって価値のない物体、つまりイヌの興味を惹かないもの。また、イヌはどちらの人物からもおやつをもらうことができるので、自身の利益に基づく選択ではない。そのため、イヌは直接自身の利益には関わらない場面で、第三者の感情的な評価をし、嫌な人物を避ける、という行動を示したということができる。自身の利益につながらない場面で、このような評価をすること示されたのは初とのことだ。

研究者は今回の発見の意義について次のように話している。

こうした第三者的評価はヒトのような発達した協力社会を可能にする一つの要因です。本研究はこの能力がイヌにも分有されていることを示したものであり、協力社会の進化の解明に重要な一石を投じるとともに、イヌとヒトのよりよい関係を構築する上でも、重要な資料になると考えています。

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今回示された行動は、援助要請に対して応えない人物に対する負の感情的評価だ。今後、正の感情的評価が生じるかを調べ、それが示されればイヌの第三者評価がヒトに近いことをよりはっきりと示すことができるという。ヒトの「最良の友」ともいわれるイヌの能力について、今後一層の解明に期待しよう。

 

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【参考・画像】

※ http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/150611_1.html

※ http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2015/documents/150611_1/01.pdf