プライバシーも明るさも色も調整できる
この特許申請技術を開発したのはアメリカのシンシナティ大学、ヒューレット・パッカード社、EMD/Merk研究所だ。この技術は、近い将来にも昔ながらの窓のブラインドにとって代わる可能性があるという。
製造は簡単で、コストも安いので、ビジネスユースにも家庭ユースにも使える。ハニカム構造の電極を持つフィルムを張り付けることで、既存の窓にも使えるという。
電気的な操作で暗くすることができる窓ガラスは、これまでもなかったわけではない。それだけでは従来からある機械式のブラインドに対して圧倒的な優位性があるわけではなかったため、いまひとつ普及してこなかった。しかしこの窓ガラスはさらに進んで、さまざまな調整が可能なのだ。
具体的にいえば、まず色を変えることができる。それも色の濃さを変えるというのではなく、夏だったら涼しげな青系の色に、冬だったらあたたかな黄色系の色にと、“色温度”を変えることができるのだ。
プライバシーを守ることもできる。それも、光の90%を透過させつつ、すりガラスのようになかを見えにくくすることも可能だ。もちろん光の透過率をさらに下げることもできる。
光の透過性能に関しては、より細かい調整も可能だ。たとえば、可視光線を通しつつ、赤外線を遮断することができる。夏の暑い時期に外の熱気が室内に伝えにくくなる。また冬場は赤外線を通して太陽の温かさをとりこむようにすることも可能だ。