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明るさも色彩も好きに選べる「電子ディスプレイ技術」をつかったブラインド

電子ペーパーの技術を応用

これを可能にしたのは、電子ペーパーを使ったディスプレイ技術だ。それを窓のような広い面積を持つものに適用でき、しかも安価に作れるものにしたという点が画期的だ。製造コストは約30cm四方で30ドルを下まわる(これは窓ガラス製造の標準的な水準だという)。

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基本的には1つの色は1つの電荷を持っていて、別の色はまた別の電荷を持っています。そして、私たちは電圧によって、任意の色を反発させたり引きつけたりできるようにしました。基本的には私たちのグループがこれまで電子ディスプレイのデバイスに使ってきた技術と異なるものではありません。むずかしかったのは、この技術を窓ガラスのような広い面に使えるように、しかも安価でかつ扱いが簡単にできるように、適したデバイスの構造を探し出すことでした。その結果、色温度やプライバシー、日よけ機能の調整など、選択肢を絞りつつ効果的な機能を実現することができました

と、研究チームのリーダーであるSayantika Mukerjee氏はいう。

たしかに窓ガラスそのものに遮光機能があれば、ほこりがつもりやすいブラインドのようなものは不要になって便利だ。また、赤外線(熱線)の透過を調整できることは、省エネの面でも魅力的である。しかし、色温度まで変える必要があるだろうかという点は少々疑問だ。

機能としてはすごいが、現実的にはコストとの兼ね合いだろう。耐用年数等の問題もある。ただし、こういった技術の進歩が電子ペーパーの進化、コスト削減へとつながるかもしれない。窓ガラスそのものへの適用もさることながら、デジタルサイネージなど、さまざまなディスプレイ類へこういった技術が応用されていく可能性がある。

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【参考・画像】

※ University of Cincinnati News