北米日産が先頃、米カリフォルニア州に拠点を置くグリーンチャージネットワーク(Green Charge Networks)と共同でEV用リチウムイオンバッテリーの再利用に取組むと発表した。
同社は2010年に量産EV「リーフ」を発売、これまでに世界で17万8,000台以上を販売して来た。
一方、日本でも2020年までに再生可能バッテリーの需要が少なくとも年間5万台分相当になると予想されている。
使用済み2次バッテリーをエネルギー貯蔵用に
クルマが使用済みとなった段階でもEVに搭載されている2次バッテリーは約70%~80%の残存容量を持っており、エネルギー貯蔵用として様々な用途への再利用が可能だと言う。
日産はリーフの発売に先立って2010年9月に住友商事と共同で使用済み2次バッテリーの再利用(Reuse)、再販売(Resell)、再製品化(Refabricate)、リサイクル(Recycle)を手掛ける4R(フォーアール)エナジー社を設立。
当初から再生バッテリーを太陽光パネルなどと組合せて住宅や事業用途に再利用する計画で、今回のグリーンチャージネットワークとも1年以上前から実用性、安全性、信頼性の検証を進めて来たそうだ。
北米の車両生産工場で再利用
今回の米国に於けるバッテリー再利用はグリーンチャージネットワークが主体となって行うそうで、初となる再生バッテリーは今夏から日産の北米工場で利用される模様。
今後は米国、及び世界のエネルギー蓄電施設でリーフの2次バッテリーを再利用する計画と言う。
北米日産のブラッド・スミス氏は「日産リーフ用のリチウムイオンバッテリーは車両から取り外した後もエネルギー貯蔵用途として多くの価値を保持しており、グリーンチャージネットワークと共にバッテリーの再利用に取り組み、エネルギーコストの低減や持続可能な社会を実現したい」としている。
おりしも現在主流のHVよりも容量の大きな2次バッテリーを搭載するPHVの普及が世界的に加速しつつあるなか、使用済み車両のバッテリー再利用のニーズが高まるのは必至で、こうした取組みは今後いっそう活発化するものと予想される。
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【参考・画像】
※ 北米日産