既に何かの楽器を演奏できる人も、まだ楽器の演奏をしたことがない人も、もっと直感的にデジタル楽器を演奏できたら面白いのに、と思わないだろうか。
例えば手のひらを上下に動かして音程を変えたり、手首をスナップさせてリズムを刻んだり、楽譜ではなく、曲線で音程を描いてそれを音に変えたり。
そんな直感的な動作でデジタル音を奏でる“楽器”『owow』がクラウドファンディングのKickstarterに登場している。これは新しい感覚で楽しめそうだ。
直感的な動作で音を奏でる
『owow』は直感的な動作でデジタル音源を操る楽器だ。かなりアバウトな動作で音程をコントロールしたりリズムを刻んだりするため、かちっとしたメロディーを奏でることには向いていないだろう。
ある程度リズムやコード演奏ができあがっている伴奏を流しながら、それに合わせて音を奏でるといった楽しみ方に向いているのかもしれない。
『owow』には5種類の“楽器”がラインナップされている。それぞれ使い方が異なり、「wob」「wiggle」「drum」「pads」「scan」と名付けられている。
「wob」は手のひらをかざすことで音を鳴らす。手のひらとの距離によって音程を変化させたり、手のひらをセンサーが感知する範囲に素早く入れたり出したりすることで打楽器的な音を演奏することもできる。
「wiggle」は、握った状態で回転させる方向で演奏できる。回転の向きや軸の変化で音が変わることを楽しめる。
「drum」はずばり、エアドラムだ。スティックを握っているつもりで「drum」を振ると、ドラムを叩いているかのように音が出る。ボタンを使えば音を変えることができる。
「pads」は小さなドラムパッドだ。4つのボタンを指先で叩くとドラムの音が出る。音色は切り替えられる。
「scan」は『owow』の中で最も個性がある装置だ。まず紙に音の変化をイメージした線を描く。例えば最初は低音で、徐々に高音に盛り上がりながら、再びちょっと下がる、といったイメージの曲線を描くのだ。
その曲線が描かれた紙の上を「scan」でスキャンするようになぞると、リアルタイムで描かれた線のイメージに合わせて音が奏でられる。
つまり、紙に描いた曲線は、直感的な楽譜であるとも言える。
パフォーマンスに取り入れると面白そうだ
動画でも分かるように、『owow』は楽器とは言え、音階を正確に奏でられるようなものではなく、無段階の音階をかなり直感的に移動させながら音の変化を楽しむものだ。
従って、『owow』だけでかちっとした曲が演奏できるわけではなさそうだが、リズムに合わせて自分の気分を直感的な音の変化で表現するといった楽しみ方ができるだろう。
しかし、自在に操れるようになり、思うような音が出せるようになれば、自分の作品を演奏するといったこともできそうだ。
あるいはダンスのような動きのあるパフォーマンスに『owow』の演奏を取り入れても面白いかもしれない。
既存の楽器演奏だけでは表現が足りない、という人には、新たな可能性を感じることができるかもしれない。
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【参考・画像】
※ OWOW – A new breed of musical instruments. by OWOW – Kickstarter