“レーシングシュミレーター”と聞いて、皆さんはどんなモノを思い浮かべるだろうか。
写真を見て「なんだ、ゲームか?」と思う人もいるだろうが、それは大きな間違いである。
F1ドライバーがサーキット以外でも走行練習を出来るようにと開発されたものが発端となって、いまでは国内のレーシングドライバーも練習に使用しているレーシングシュミレーター。シュミレーターを持たないドライバーや愛好家に向けてのシュミレーターショップもここ数年、少ないながらも数が増えている。
レーシングシュミレーターとは
レーシングシュミレーターは、いわゆるレースゲームと何が違うのか?レースゲームは、そのゲーム性を考慮してレーシングカーの動きを忠実には再現していない。例えばコーナーを曲がるときも曲がりやすいようにゲームソフトがレーシングマシンの動きに修正を加えることもある。ブレーキも踏む力よりも止まる力の方が強い。その他、数え上げればキリが無いが、レーシングシュミレーターは、レーシングマシンの動きに忠実で、ハンドルを切っただけしかタイヤは曲がらない、ブレーキも踏んだ分だけしか効かない。コーナーのラインや進入速度などが適切でなければコースアウトしてしまうこともある。
よりリアルな走行を体感せよ
上の動画は、レーシングドライバー千代勝正選手がマカオグランプリで使われるギアサーキットをシュミレーター練習しているものだが、マカオのギアサーキットは年に一度のレースウィークにのみ設営される公道サーキットなので、コースそのものを練習走行で走りこむことは不可能であり、レーシングシュミレーターがなければコースを覚えることすら出来ない。常設サーキットであっても日本の選手が海外のサーキットに遠征に行く際はシュミレーターによる練習をすることで、現地での限られた走行時間を有効に使うことが可能となるのだ。
秋葉原へ急げ!
それを10分1,000円という料金で一般の方々にも利用できるようにと、2013年の11月に秋葉原にオープンしたのが『D.D.R』 AKIBA1号店だ。
このショップのレーシングシュミレーターは、今あるシュミレーターの中でも最先端のもので、ステアリングとシートに油圧制御を採用し、フロントタイヤのフィードバックと前後左右の加重変化を擬似的に作りだし、よりリアルなレーシングマシンを体験できるようになっている。
上の動画はオートパイロット機能でデモ走行をしているものであるが、注目していただきたいのはそのシートの動き。これだけ大きく、そしてこまめに動くことで加重移動や路面からのフィードバックを再現している。
これだけ再現度の高いシュミレーターが交通至便な秋葉原の地にあるということで、休日や週末などは2時間待ちとなることも多く、また比較的空いている平日の昼間は現役のプロドライバー、それもスーパーGTやスーパーフォーミュラーなどの国内トップカテゴリーのドライバーが練習に多数訪れている。
全くの初心者であっても、ショップスタッフが操作方法からサーキットの攻略まで、親切丁寧にアドバイスをしてくれるので、難しすぎて投げてしまうということもない。またアドバイザースタッフには5月3日のスーパーGT 富士500kmレース300クラス優勝や、6月20日のヨーロッパブランパン耐久シリーズポールリカール1,000kmレースで総合優勝を飾った千代勝正選手も名を連ねている。
そんな『D.D.R』 は開設から1年も経たない昨年秋に、池袋にも出店するなど、ビジネス的にも成長しているようである。
その『D.D.R 』AKIBA1号店では、シュミレーター体験をもっと広く浸透させるために各種イベントも開催しており、直近では7月11日の土曜日、先述の千代勝正選手に加えて、スーパーGT開幕戦で300クラスを優勝した中山雄一選手、スーパーGT500クラスで近藤真彦監督率いるKONDO RACINGのエースドライバーである佐々木大樹選手がゲストとして参加し、各選手が一般の来場者とチームを組んでシュミレーターで対戦するという耐久レースイベントが開催される。
こちらのイベントの詳細は『D.D.R』AKIBA1号店のサイトで確認して欲しい。
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【参考・画像】
※ D.D.R