7月7日(米時間)に、Facebookは5つ目のデータセンターを建設中であることを発表した。この建設中のデータセンターで注目されたのは、電力も冷却も風任せであるということだ。
場所は米テキサス州フォートワース。同社のデータセンターとしては、米国内ではオレゴン州、ノースカロライナ州、アイオワ州に続く4箇所目であり、スウェーデンを含めれば5箇所目となる。
風力発電に完全依存するデータセンター
Facebookはフォートワースに建設中のデータセンターが世界で最も先進的で効率的であり、持続可能な施設に成ることを期待していると言う。
実際、同社はインフラ効率を高めてきたことで、過去3年間で20億ドル以上のインフラ費を節約できているとしている。
フォートワースのデータセンターが注目されていることの一つは、電力を100%再生可能エネルギーで賄うと宣言していることだ。
その電力はどこからやってくるのかというと、まだ存在していない。これからデータセンターから約90マイル(約144キロ)離れた場所に、新たに1万7000エーカー(約6910ヘクタールで約68,796,559平方メートル)の風力発電施設が建築されるというのだ。
この発電施設は、米Citigroup EnergyとカナダAlterra Power、そして米Starwood Energy Groupとの提携で実施され、200メガワットの電力が供給される予定だ。
データセンターで使い切れなかった電力は、地元に供給されることになる。
なにもかも風任せは可能か?
そしてフォートワースのデータセンターのもう一つの特徴が、施設の冷却システムにエアコンを使わず、外気を利用する事だという。
既にオレゴン州では実績があるとはいえテキサス州でそんなことが可能なのかと思うが、データセンターのオペレーションディレクターであるKen Patchett氏はFacebook上に書き込んでいる。
Yes, we can make that work even in the middle of the kinds of summers we have here in Texas.
また、同氏はフォートワースのデータセンターが、『Internet.org』の活動にとっても重要な施設であると述べている。『Internet.org』は世界中にインターネットへの接続環境を整えようという活動を行う団体だ。
さらにフォートワースのデータセンターで開発されるサーバーの技術についても、Open Compute Projectで公開する予定だ。
Facebookはこの新たなデータセンターに5億ドル以上を投資し、新たな雇用を生み出す事にも貢献できるとしている。
なんともスケールが大きな風任せの計画だ。ただ、テキサス州は竜巻やハリケーンの多発地帯であることが、気にはなるが。
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【参考・画像】
※ The Newest Addition to the Facebook Data Center Fleet: Fort Worth | Facebook Newsroom
※ Facebook Announces Fifth Data Center, Located In Fort Worth, Texas | TechCrunch