パソコンを使ってデスクワークをしていると、仕事の邪魔をする誘惑に負けてしまうことがあるかもしれない。
それは、何かを調べようとしたことがきっかけで始まったネットサーフィンかもしれないし、つい、気になったFacebookやTwitterを覗いてみただけだったのに、気が付いたら書き込みを始めてしまっているかもしれない。
このようにインターネットに接続できる環境では、仕事から目を逸らしてしまう誘惑が多いものだ。そんな気が散りやすい人のために開発されたデバイスが、クラウドファンディングの『Indiegogo』に登場した。
人はマルチタスクに対応できないという前提?
デバイスの名は『Saent』で、直径7センチの円盤形をしている大きなボタンと言ったシンプルな形をしている。
このデバイスとソフトのコンビが、ユーザーが仕事に集中することを手伝ってくれるという。
『Saent』は本体自体が大きなボタンになっているが、このボタンを押したときが、仕事開始の合図になる。
インターネットに接続された環境で仕事をすると言うのは、人によっては遊園地や商店街で仕事をしているようなものかもしれないのだ。ネットの向こうにはたくさんのウェブサイトや動画、ゲームにSNSなどが、あなたの気を逸らそうと待ち構えている。
『Saent』のプロジェクトサイトには次の様に書かれている。
人がマルチタスクであることは神話なのだと。マルチタスクが可能な人はほんの3%程度の存在であり、残りの97%の人は“task switching”といった状態で、注意力が散漫になり、仕事上でのミスを犯したり仕事の質を下げたりしてしまうのだと。
しかし、料理人などは同時に様々な作業をしてみせるが、あれはマルチタスクとは言えないのだろうか。
いずれにせよ、私たちにはネット上の誘惑に脱線することを避ける手段が必要になる。しかしLANケーブルを抜いたり、ルーターの電源を落としてしまっては、仕事にならない。
そこで『Saent』の登場となる。
気を逸らすサイトやアプリをブロックする
『Saent』の機能は次の様なものだ。
まず『Saent』のスイッチを入れると、予め定義されたリストに従って、注意を逸らして仕事の邪魔をするサイトやアプリへのアクセスを『Saent』がブロックする。もし、うっかり仕事をさぼろうとしてそれらのサイトやアプリにアクセスしようとすると、画面にポップアップが現れて、仕事に集中することを促してくれるのだ。
また、『Saent』はユーザーの仕事ぶりを監視しており、仕事とアプリの関連性などが記録される。しかし『Saent』は気晴らしを禁止するだけではない。一定の時間が経過すると、休憩することを進めてくれるのだ。
将来的には、ユーザーの作業効率を監視し、適切な休憩タイミングを学習する機能が付くようだ。また、『Saent』はユーザーが仕事に集中している間の10分ごとにポイントを付けて評価し、自分でも仕事ぶりを確認できるだけでなく、同僚達と競い合うこともできる。
こうして『Saent』を使う事で、ユーザーは仕事に集中しやすい環境やリズムを見つけ出していくことになる。
ただ、私の様に様々なウェブサイトやSNSを渡り歩きながら情報を収集したり調べごとをしている仕事には、ちょっと適していないかもしれない。
また、『Saent』の様なデバイスの力を借りなければ仕事に集中できないというのは、ちょっと意志が弱すぎるような気もするが、皆さんはどう思われるだろうか。
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