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家電アトリエで出会った・・・使う人の気持ちとつながる「スマート家電」とは

家電アトリエで出会った・・・使う人の気持ちとつながる「スマート家電」とは

都内のとあるマンションの一室にある「家電アトリエ」。そこには色鮮やかな冷蔵庫や、様々な形のオーブン、炊飯器、そしてそよ風を吹かせるエアコンなどが綺麗に並んでいた。

今回、FUTURUS編集部は、「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして活躍している、神原サリーさんに未来の家電についてインタビューを行った。

 

家電の使い方も変わってきている

<技術の進歩が、家電の新しい機能を実現してきました。しかし、あらゆるニーズをひとつで埋める多機能家電は、もはや求められていないのではないでしょうか。強みを生かしたインパクトがあるものが人々の心に刺さる。一点特化型こそが、これからの家電には欲しい機能なのかもしれません>

と神原さんは話す。

神原サリーさん1

個々のニーズに特化し、機能が細分化された家電が増えてきている。たとえば、「おいしいパンを焼く」ことにこだわった家電があってもいいじゃないか、という考え方だ。なんでもできる家電より、個人のわがままで家電を組み合わせる“選ぶ楽しさ”を大切にする時代になっているような気がする。

家電3

 

「家電アトリエ」を設けた意義とは

家電も、実際に使うことで“五感”でわかることがある。

おいしいご飯が炊ける炊飯器は試食販売もできるが、エアコンや扇風機が部屋に生み出す風の流れは、店頭では体験できない。こういったものを伝えるのも、アトリエがあるからこそできるのだという。

家電2

<実際に使って、家電を見る視点が変わってくれればうれしいですし、操作感を味わってもらいたいです>

今は一般の公開はできていないが、今後はサロン形式で家電を実際に使うことで、感じられる場があってもいい、と神原さんは思いを語った。

 

便利さの先に求められるもの

この世界には、人々が「あったらいいな」と思うことを次々と実現できる技術がある。だからこそ、本当に大切にすべきことは“使う人の心に響く”ものかどうかではないだろうか。

神原サリーさん2

掃除機を使うときに感じる手触り、肌で感じるエアコンの風、スイッチを押すときの音……。毎日使う家電だからこそ愛着がわくものであるべきで、“上質な暮らし”には、ただ便利な機能の家電をそろえることよりも、日々感じる“わくわく感”があってもいい。

ただ、デザイン性を重視しているだけではない。持っている、使っているだけで楽しい、幸せを感じられる。そんな“うふふ家電”が人の心に本当に響くのかもしれない。

壁プロジェクター2

 

家電とのコミュニケーション、それが未来のスマート家電

たとえば、雨の日のどんよりとした雰囲気を家電が感じ取り、家の中の空気をさわやかにしてくれる。さらにそれと連動して、プロジェクターが何もない壁に“気分が明るくなる風景”を映しだしてくれる……。

P7293068

実際にアトリエでは、壁に窓を作るイメージで、プロジェクターを使ってお気に入りの映像である“シカゴの街”が映し出されていた。

「使う人の気持ちとつながる家電」それこそがスマート家電といえるのではないか。家電という枠を超え、車やスマホも家電といえる時代がきている。暮らしの全てに便利さを求めるだけでなく、その先に家電を通しての「夢や希望を描けるか」が、神原さんの語る“未来の家電のかたち”である。

家電1

これからは、使っているだけでちょっと嬉しい、こだわりの家電に囲まれて“わくわく”や夢を感じられる暮らしをしてみてはどうだろうか。

 

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【取材協力】

※ 神原サリー

新聞社勤務を経て顧客視点アドバイサー&家電コンシェルジュとして独立。企業と生活者の橋渡しをするべく、新聞、雑誌、業界誌をはじめテレビやラジオなどさまざまなメティアで家電の魅力を発信中。五感に響き、愛着のわく家電を「うふふ家電」と提唱、その普及に努める。表参道に開設した「家電アトリエ」では動画配信も始めている。