Googleのインパクトチャレンジで助成金を得る
『e-NABLE』は2015年6月に、Googleから60万ドル(約7,452万円)の助成金を獲得した。
これはGoogleのインパクトチャレンジという、テクノロジーがよりよい社会を作るアイディアをもった非営利団体を支援するプログラムの『Disabilities』部門で選ばれたことによる。
そして、その直後にロサンゼルスで行われた、スペシャルオリンピックスのGoogleのブースを訪れたAriちゃんという少女も、生まれつき左手の指が無かった。
ところが、Ariちゃんが訪れた会場にはサプライズが用意されていた。『e-NABLE』が彼女のための義手を用意していたのだ。
これは『e-NABLE』が自分たちの活動をより広く知ってもらうために行ったのだが、Ariちゃんにとっては嬉しいプレゼントとなった。
テクノロジーが可能にしたコミュニティ
義手の制作には高度な技術が必要であり、使用する人ごとの手に合わせて制作しなければならないため、高額な費用が必要であった。しかも、特に子供は成長するため、義手がすぐに合わなくなってしまうという問題もあった。
しかし、3Dのモデリングソフトと3Dプリンターの技術が進歩し低価格化したため、低コストで高度な義手を制作することが可能になった。しかもデータ化された義手は、成長に合わせて作り直すことが容易だ。
『e-NABLE』は義手を必要としている人と義手を制作できる人、出力できる人達をマッチングするコミュニティだ。
そして、制作された義手のデータは、無料の共有ソースとして利用できる仕組みを用意している。
『e-NABLE』の活動はまだ米国を中心としているが、彼らの支援を必要としている人たちが世界中に居る。
銃やミサイルまで出力を始めた3Dプリンターが、義手も出力できるのだということが、もっと知られるようになれば良いと思う。
【参考・画像】
※ e-NABLE – Enabling The Future
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