太陽の陽射しを受けて、車内が想像以上に高温になるのは周知の事実。日本でも、春先から夏場にかけて駐車中の車内の温度はぐんぐん上昇する。
閉め切られた車内は想像以上の高温に
JAF(一般社団法人日本自動車連盟)による実車検証では、4月や10月の外気温が23度程度の過ごしやすい環境下でも、日中の車内温度は50度近くにまで上昇するという結果が出ている。

また8月ともなれば、特に暗色系のクルマの場合、車内の雰囲気温度は60度近くにまで達する。

そうした中、7,000人以上を対象にしたJAFのアンケート調査によると、3割近い人が「子供を残したままクルマを離れたことが有る」と回答している。
ちょっとした油断が大変な事態に
「外が涼しいから」、「子供が眠っているから」、「10分‐20分で戻るから」といったケースが大半だが、そうした安易な考えが実は、幼い子どもの熱中症事故を引き起こす原因になっているのだ。
ちなみに米国では、たとえ1分でも車内に子供を放置すると犯罪扱いとなることは広く知られている。
しかしながら、そんな法律による罰則が厳しい米国でも、子供が車内で熱中症で亡くなるケースが後を絶たないそうだ。
青少年のケアを手掛ける非営利団体『Kars4Kids』が米国の実態を伝えている。
・車内放置による2014年の子供の熱中症死亡数は31人
・車内放置による1998年以降の子供の死亡総数は645人
・車内放置による子供の年間平均死亡数は37人
今年も6月末時点で、既に8人の幼い子供達が犠牲になったと言う。
大人で検証してみると・・・
そこで『Kars4Kids』では夏の暑い日の車内で大人がどこまで耐えれるかを実検した。
映像のとおり、大人でも10分ともたない車内に子供を放置するという行為はもはや虐待以外の何ものでもない。
医者、看護師、警官、教師などの職業に携わっている者ですら、結果的に自身の子供の命を奪う結果に繋がっているそうだ。
『Kars4Kids』ではそうした事態を重く見て、スマホを使った警告アプリを開発しているほど。
とかく大人は外因に気をとられがちだ。
たとえ僅かな時間でも、車内が外気温からは想像出来ないほどの高温になるケースが多いことをしっかり認識していれば、自分で何もできない幼い子供を車内に閉じ込めたまま、クルマから離れるようなマネはしない筈だ。
【参考・画像】
※ JAF
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