晴れた日、外は明るいにもかかわらず、室内では明かりをつけないといけないという部屋も多い。家のつくりの関係でしかたがないわけだが、なんかちょっともったいないと感じたり、罪悪感をおぼえることもあるのではないだろうか。
でも、このシンプルな装置があれば、外の日光を屋内に導入できる。しかも外部電源などは必要ない。『Lucy』というデバイスだ。
自動的に太陽を追尾
本体は丸い透明なスタイリッシュなデザインである。ブルガリやカヴァリの仕事にも携わったデザイナーの手によるものだそうだ。
使いかたはいたって簡単。直射日光が当たる場所に『Lucy』を置き、照らしたい方向(たとえば部屋の天井など)に『Lucy』のノーズを向けるだけでいい。『Lucy』の鏡によって太陽光が反射され、室内を照らしてくれる。
太陽が移動しても『Lucy』に内蔵されたセンサーが自動的に太陽を追尾し、鏡の角度を調整して、『Lucy』に太陽光があたっているかぎり、室内の同じ場所を照らしつづけてくれる。『Lucy』は太陽光発電で作動するので、外部電源は必要ない。
したがって置き場所の自由度も高い。ベランダに置いてもいいし、庭先においてもいいし、室内の窓際においてもいい。防水仕様なので、雨に濡れても大丈夫だ。サイズは直径30cm。重さは約2.5kgだ。
日光不足による健康障害も改善できる
『Lucy』を発表したベンチャー企業SolenciaのCEO、Diva Tommei氏は、世界中で少なくない数のひとが、屋内にいるために起こる“太陽光不足”による健康障害を抱えていることを知って、それを解決したいと思ったという。『Lucy』は、単に明るさをもたらしてくれるだけでなく、人工的な照明器具にはない幅広い波長の光を室内にとりこんでくれるのだ。室内に置いている植物に対しても有効だろう。
この『Lucy』、限定版が300ドルという価格設定になるようだが、現在先行予約すると199ドルで買うことができる。
やはり自然光はなによりも親しみやすい。実際のところ、これだけでどれくらいの明るさになるのかはわからないが、照明器具を使いつつ、補助的に使ってもいいのではないだろうか? 欲をいえば、夏場は赤外線をカットする機能などがあるとありがたいが。
【参考・画像】
※ Solencia
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