今年も平成27年度『富士総合火力演習(そうかえん)』が東富士演習場で行われた。最新鋭の装備を駆使して行われる陸上自衛隊国内最大の実弾射撃演習とあって、多くの国民が観覧を希望、その倍率は実に29倍。運良く当たったファン、約2万5,000人は朝早くから会場に詰めかけた。
総合火力演習とは
陸上自衛隊としては『25大綱(平成26年度以降に係る防衛計画の大綱について)』における『統合機動防衛力』の構築を実現するために様々な取り組みを行っている。装備品の拡充はもちろん、イザというときに即応できる態勢づくりに努めており、この『そうかえん』は隊員教育の一環として、また国民へのお披露目の場として行われる。
演習プログラム
演習プログラムは前段演習と後段演習とに分かれ、前段では陸上自衛隊の主要装備品の紹介、後段演習ではテーマに沿った形で行われる。今年は“島嶼部に対する攻撃への対応”であり、昨今の国際情勢を反映したものとなっていた。
後段では陸上自衛隊だけではなく、F-2戦闘機など航空自衛隊との共同防空戦闘を行うといった、より具体的な作戦展開を想定している。
急変する天候、トラブルも
富士の裾野で行われる『そうかえん』、例年天候が急変して雨天、濃霧などで演習プログラムをすべて行われることは稀である。今年は比較的天候に恵まれた一方、装備にトラブルが続出。予行では74式戦車の履帯が外れて行動できなくなる、10式戦車のスラローム射撃の際に衝撃波で飛ばされた破片が最前列に座っていた観客にあたり2名が怪我をするなど、トラブルに見舞われた。
23日の本番では10式戦車は空砲に切り替えるなど安全に配慮し、無事に行われた。演習終了直後、陸上自衛隊に配備予定のオスプレイが飛翔するなど、ファンからは歓喜の声があがった。
迫力の『そうかえん』の様子は写真ギャラリーで楽しんでほしい。
【参考・画像】
※ 写真提供:kkariya
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