
写真にスマートフォンをかざすと、画面のなかで写真が動き出す。
“AR(拡張現実)”を使った動画再生技術だ。コマーシャルな用途でもときどき使われるので、体験したことがあるひとも多いのではないだろうか。
しかしそんな既製品だけでなく、自分が撮った写真、自分が撮った動画でARを使った“動く写真”が作れたらどうだろうか?
そんなアプリとサービスがある。そしてなかでも『Clip』というアプリは、キヤノンのプリンター『PIXUS』の対応機種を使えば、自宅でもプリントできてしまうのだ。
動画を編集して写真にアタッチできる
アプリの名前は『Clip』。iOSにもAndroidにも対応している。この『Clip』、まず動画編集機能がある。“フォトブック”や“グリーティングカード”など、商品ラインアップを選んでから、動画をチョイスすると、フレームを選んだり、トリミング、BGM挿入、テキスト挿入などの編集作業ができる。
あとは、スマートフォンをかざすとその動画を再生させる写真を選択する。そして、写真のプリントはコンビニエンスストアやネット注文でできる。ただ写真をプリントするだけではない。ネットでオーダーすれば、季節に合わせたフレーム等と組み合わせてグリーティングカードを作ることも可能だ。
さらに進んだサービスも展開している。動画をAR再生できる写真を20枚まで収めたフォトブックを注文することもできる。1冊からオーダーできるので、自宅用にもプレゼント用にも最適だ。動画をアタッチできるQRコードのステッカーや、QRコード入りの名刺、さらにはサプライズケーキまでできる。
家庭でもプリント可能に
そして、今回の大きなニュースは、そのアプリ『Clip』をプロデュースするワールドリミテッドがキヤノンマーケティングジャパンと提携し、Wi-Fiプリントに対応した家庭用プリンター『PIXUS』で『Clip』の写真がプリントできるようになったというものだ。これまでの店頭プリント、コンビニプリント、ネットプリントに加えて、自宅でもプリントできるようになったのである。
この提携により、両社は『Clip×PIXUS動くスマフォトプリントキャンペーン』を、2015年8月26日から2016年3月31日まで開催している。
それにしても、“AR(拡張現実)”こそ、スマートフォンが実現した“魔法”のなかでも、もっとも魅力的なもののひとつではないかと思う。こういうシンプルな形でのリアルとバーチャルの融合は、スマートフォンまたはタブレットぐらいでしかなかなか実現できないからだ。
この手のARアプリは他社からも出ているのだが、写真をプリントすること自体が減ってしまった現在、家庭用プリンターでできるというのは大きいだろう。
来年の年賀状などにいかがだろうか?
【参考・画像】
※ ワールドリミテッド、キヤノンマーケティングジャパンと業務提携 家庭用プリンターで「うごく写真」の印刷サービスを開始 – @Press
※ Clip
※ Pixsooz / Shutterstock
【関連記事】
※ マイクロソフトの拡張現実「Hololens」のビジュアルが公開
※ AppleはARの技術をつかって何をしようとしているのか
※ 仮想現実内で飛ぶ感覚を味わえるVRガジェット「ICAROS」