
IoTが盛り上がりは見せているものの、まだまだ普及しているとは言いがたい現在。
その理由として、消費者側がデータを集めることで何が生み出されるのか、ベネフィットが見えづらい側面もあるかと思われる。一方で、企業側も企業にとって有効なデータが集められず、苦戦している担当者もいることだろう。
もしかするとアナタのデータは企業の役に立つかもしれないのに、企業が探し出せずにその価値が埋もれてしまっている場合もあるだろう。そのような機会損失をマッチングによって解決しようとしているのが、カスタマイズ可能なセンサー『EveryStamp』と、IoTのプラットフォーム『EverySense』だ。
データ提供でポイントがもらえる
『EverySense』は、『EveryStamp』によって生み出されたデータを売買することができる仲介プラットフォームだ。データ提供者は、データが欲しいデータ利用者にデータを渡すことによって電子ポイントをもらうことができる。
得られたポイントは、ポイント交換サイト『PointExchange』で交換することによって、現金や電子マネー、商品券や汎用性の高いポイント(Tポイントなど)に換金できる仕組みとなっている。

ポイントの変換率は、提供したデータの量や質によって変わってくる。ポイント付与によって、データ提供者のモチベーション維持につながっていることが考えられる。
では、どのようなデータをデータ提供者は生み出すことができるのだろうか。
どんなデータがポイントに変わるのか
データを蓄積するデバイスが『EveryStamp』だ。こちらは環境センサーデバイスとなっており、温度や湿度、気圧や加速度、照度、紫外線、GPSなどのデータを計測することができる。

手のひらサイズでバッテリーを搭載しており、WiFiによるインターネット接続が可能なデバイス構成なので、持ち運びも容易に行うことができる。
また、『EveryStamp』には専用のモニタリングアプリがあり、たとえば外出先から自宅の温度や湿度などを見ることができる。データの提供に紐付く個人情報は、ユーザーが許諾する範囲で提供することができる。許諾範囲をデータ提供者が決めることによって、データ利用者も必要以上に個人情報を抱え込むリスクが少なくなっている。
どんなシーンで使うのか

利用シーンとして考えられるのは、たとえば“見守りサービス”として使うことができる。遠隔地からでもスマホを通して、遠く離れた両親の家を照度センサーを置くことで、照明が付いているかどうかを確かめることができる。
あるいは、(現段階では個人情報の範囲がどの程度なのかは不明ではあるが)30代女性の部屋の湿度などを多数集めることで、企業側が加湿器の開発のヒントになるデータを集められるかもしれない。
『EveryStamp』は現在クラウドファンディングサイトの『Makuake』で資金調達中。16,000円で温度、湿度、気圧、照度、紫外線、GPS、ジャイロ、方位、加速度センサーのついたフルパックが購入できる権利が付与される。納期は2015年の12月を予定しているとのことだ。
データを生み出すことでプラットフォームが確立できるのであれば、データを売買するという新たな市場が見えてくるだろう。
【参考・画像】
※ カスタマイズできるIoTデバイス「EveryStamp」、しかもポイント付き! – Makuake
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