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トヨタの人が打ち明けるプリウスPHVの「意外な落とし穴」Vol.3

最近は意識改革で、そのひと手間で100円貯まりますよ、というのを言っています。

燃費がだいたい1L=20kmとすると、1回充電するとEVで26.4km走れるからガソリン1Lがセーブできますよね、すると電気代を差し引きだいたい100円たまるというわけです。

ーーー それは奥様方に響きますね。

地域によって異なるコスト感覚とコスト計算・・・

26.4kmのEV航続距離が短い、というのもそうですが、HVとくらべてPHVの価格差が埋められないのもひとつの課題です。

ユーザーには先進的なアーリーアダプタ、そして経済性を含めて考えるフォロアーという2つの層がいます。アーリーアダプタにとってピュアEVは分かりやすいので、EVとユーザーをとりあうことになるでしょう。

ーーー たしかにハリウッド俳優たちがこぞって環境車を買いますね。

あれはイメージ戦略もあるでしょうから、実際には他にもクルマを持っているでしょう。でも、そのおかげで随分とプリウスが人気となりました。お金持ちはともかく、本当の勝負は経済性を考える大多数のお客様にいかに普及させるか、です。

日本人の特性として初期投資はいざ買うとなると気にされない方が多くおられます。例えばノア、クラウンのHV比率は50%くらいで、多少高くてもHVを買っていただいています。年間走行距離からガソリン代を計算すると、乗り方によっては、実は普通のエンジンモデルの方が安いかもしれないけど、その計算をされるより、環境とか燃費とかを考えられてのことだと思います。そして、逆にしっかりと計算をされる経済性重視の方はハイブリッドでなく、軽自動車や普通のコンパクトカーを選ばれます。

ーーー 海外はどうでしょう。

例えばアメリカ人なんかは多くの方が計算されるんです、理論的に、計算した結果「自分にとっては得だから」ということでHVを選ばれますね。

ーーー 通勤で毎日使うし、走行距離が長いからHVは元がとれるんですね。

ではPHVはどうかというと、アメリカでは地域によっては電気代が高いところもあります。また、ガソリン代が安いから、電気のお得感がないんです。だからPHVとEVは苦労していますよね、日産リーフも苦戦されているみたいですね。

ーーー あくまでも自分にとってお得かどうか、が判断基準ですね。

日本でもこれから車を買う人は、幼少期から家に普通に車がある世代で、特に地方では車は贅沢なものではなく、生活になくてはならないものとなっています。賢い買い物をする感覚になるんじゃないでしょうか。