
アイスクリーム、特にソフトクリームは特別なスイーツだ。
普通のバニラアイスでも、円錐形のコーンに何層も盛られた姿を見るだけで、とても楽しい気分になる。カップやお皿に入れたものより、格段に“スペシャル”な感じがするのだ(あくまで私見だが)。
そんなソフトクリームだから、舌で食感を確かめながら、じっくりと、時間をかけて味わいたい。が、あまり時間をかけすぎると、必ずや溶けて手がベトベトに。場合によっては、アイスがポトッと地面へ……悲しい。
そんな悲劇(?)が起こらないような『溶けないアイスクリーム』が、スコットランドの研究チームにより誕生した。
秘密は新タンパク質の採用
この素晴らしいアイスの秘密は、エジンバラ大学とダンディー大学の共同研究チームが発見した新成分にある。
『BslA』と名付けられたタンパク質で、油分と水分の分離を防ぎ、泡がはじけるのを抑制、表面を皮膜する特性があるという。
で、これをアイスクリームに使うと、気温が高い日でも軽い口当たりが長時間維持されるほか、硬い氷の結晶ができにくくなる。なので、溶けにくいだけでなく、より滑らかなアイスができるそうだ。
新タンパク質『BslA』には、もうひとつのメリットもある。体によい微生物の研究をしていた際に自然発生したのだが、その後の研究で飽和脂肪酸を抑える効果もあることが分かったのだ。
乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸は、人のエネルギー源としては大切なもの。だが、摂取し過ぎると中性脂肪やコレステロールが血中に過剰に増え、動脈硬化などの原因となる。これを抑えるということは、つまり“より低カロリー”なアイスができるということだ。
溶けにくく滑らか、しかもヘルシーな“最高のアイスクリーム”……ゴクッ。
研究チームによると、実用化は3~5年後になりそうだという。
う~ん、早く食べてみたい!
【参考】
※ Slower Melting Ice Cream In Pipeline Thanks To New Ingredient – University of Dundee
【画像】
※ sumire8 / Shutterstock
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