
空気抵抗。地上を走るものすべてが受ける抵抗であり、効率をつきつめる自動車にとって立ちはだかる壁でもある。
モータースポーツの最高峰F1では、エアロダイナミクスの活用がここ数十年のトレンドであり、その波は一般車へもフィードバックされている。
現在F1で常勝を続けるメルセデスが放つコンセプトカー、『Concept IAA』はセダンでありながら、究極の低・空気抵抗を実現した。
デジタル・トランスフォームによりCd値を激減
『Concept IAA』は通常の“デザインモード”でもドアノブが廃され、完全にフラットサーフェス化されたウィンドウなどから空気抵抗係数Cd値 0.25と低い値を誇る。
これはGT-R 0.27よりも低く、プリウスの0.25と同等、同社の CLA 0.23に迫るものだ。空気抵抗値を減らす手法は様々だが、デザインとの両立が難しく、GT-Rの空力デザイナーいわく「空力デザイナーは見えない部分、底面が主、見える部分は目標数値だけ提示して、形状はカーデザイナーが担当」というほどだ。
そこで『Concept IAA』は走行中、80km/h以上となるとデジタル・トランスフォーム。ボディを大胆に変形させ“エアロダイナミック・モード”になることでCd値を 0.19まで減らす。具体的にはグリル、フロントバンパー、リップスポイラー、ホイールリムを可動、テールエンドを延長させることで実現している。特に延長されたテールエンドにより受ける印象は大きく異なり、“ウルトラ警備隊・ポインター”を彷彿とさせ、未来的な印象を与える。
F1でもDRS(Drag Reduction System)を使い空気抵抗を減らしているが、その一般車版といっていいだろう。
F1同様、メルセデスがこの分野でも快進撃を続けるのか、エアロダイナミクスからも目が離せない。
【参考・画像】
【動画】
※ Mercedes-Benz TV: Intelligent Aerodynamic Automobile – the “Concept IAA”. – YouTube
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