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【クルマを学ぶ】排ガス規制問題、フォルクスワーゲンが使った「defeat device」とは

問題となった「defeat device」(無効化機能)とは

今回問題となったのは『defeat device(無効化機能)』の存在だ。『defeat device』は東京都によると以下で定義される。

<『無効化機能』とは、自動車の排出ガス規制に適合させるために動作する排出ガス低減装置・機構の一部又は全部を、実際の走行状況にあって“無効化”する又は“無効化”するとみなされる機能で、規制当局への適切な説明なしに行われるものです。
『無効化機能』があると、その自動車の排出ガスは規制適合レベルより著しく悪化したものになります。
欧米では、『無効化機能(Defeat Device)』は、自動車メーカー側の意図に係わらず、反社会的行為として、自動車排出ガス規制に禁止規定が明文化されています。>

排ガス規制に適合しているかどうかをチェックするテスト時は、排出ガス低減装置が働くが、実走行時はその装置の動作を無効化することだ。

燃費や走行性能を向上させる『defeat device』については、これまで大小なりとも各メーカーが実装しており、排ガス規制をチェックする国・自治体とのせめぎあいが続いてきた。2011年には東京都が以下のようなお知らせを掲示している。

<東京都では、自動車の排出ガス低減性能の実態把握を目的として、市場に出回っている自動車を無作為に抽出して調査する使用過程車調査を、東京都環境科学研究所に委託しております。このたび、最新排出ガス規制に適合するディーゼルトラックにおいて、排出ガス低減性能の『無効化機能』が、東京都環境科学研究所の本調査にて発見されましたのでお知らせします。>

今回VWが、クリーンディーゼルとして欧米で販売してきた車種を、米環境保護局(EPA)が調査したところ、『defeat device』の存在が明るみに出たのだ。

フォルクスワーゲン
source:http://www.shutterstock.com/

 

高度化した『defeat device』

『defeat device』は規制当局とのせめぎあいがあった結果、アメリカでは大気浄化法、合衆国法典で1990年より、ヨーロッパでは2001/27/EC指令によって2001年より禁止規定が明文化されている。

にも関わらず、今回問題となった VWの『defeat device』はより高度化な電子制御技術をうまくつかい、テストモードと実走行を判別したようだ。明確な判断基準は明らかになっていないが、速度、エンジン稼働時間、燃料噴射圧、ステアリング操作(の有無)からテストかどうかを判断。

その結果、排出ガス低減装置であるDPF(Diesel Particulate Filter)、EGR(排気再循環)などの性能を調整したと推測される。

センサーや電子制御が高度化したことで、『defeat device』の高度化を誘ったともいえなくもないが、明らかにこれは“ダーティ”な技術であろう。

 

「defeat device」がなかったら?

実走行時は『defeat device』が働き、排出ガス低減装置が無効化されるが、もしこれがなかったらどうなっていたのだろうか。

排出ガス低減装置が最大限働くと燃費は悪化し、パワーもなくなっていたと考えられる。つまりVWの謳う“クリーン・ディーゼル”のメリットがまったくなくなってしまうのだ。

そのため“詐欺”的であると非難されている。